『プールで学習』

 プールはミラクルだ。水中は年齢を25歳ほど誤摩化す。えっちら泳いでいると、前方でバタ足をする足があまりにもしなやかで、向こう側の壁にタッチしたらゴーグルを外して拝みたいとワクワクするのだが、実際ゴーグルをはずすと確実に年金をいただいている女性というパターンが多い。
 きっと水のベールがシワやたるみを隠すのだろう。それにしても水中と水上で25歳はすでに魔法である。水中だけという条件付きならひょっとしたら恋が始まるかも知れない。いや、これ、まんざらウソではなく、高齢者の恋は圧倒的にプールで始まるのだそうだ(関係者談)。
 確かにプールとなると、はなから洋服を脱いでいるわけで、かなり精神的にオープンな状態であることは明らかである。こんな話をしたらナンだが、実際に洋服を脱がしてみたら「えっ?」という不安もすでに解消されていて、つまりボディに関してもほぼ予測できるわけだから裏切りは少ないのである。
 若者がジャージやダラダラの格好でプールに行くのに対して、ご高齢の方々のしっかりした身なりときたら、そりゃぁもう。ちょっとオメカシした感じで、ひょっとしたら何かを期待しているのかもしれませんな。そういう姿が僕は大好きで、おまけに勝手な想像も膨らんで、歳をとっても男と女はこうあるべきだと嬉しくなってしまうのである。
 なにはともあれ、いくつになっても身体を鍛えるということは素晴らしいじゃないですか。毎日ちょっとずつ自分を磨き、自分を変える。変わった自分に拍車をかけて、もうちょっと頑張る。頑張る自分には、同じように頑張る人たちが集い、60年以上も知らなかった人とでも友達になれる。
 プールは素敵な人生勉強の場でもあるのです。学費は1時間200円。ありがたや。



『メールって難しい』

 ケータイメールが苦手だ。電話すれば5秒で済むことがメールとなると2分はかかる。しかもちゃんと届いたかどうか心配で、結局電話で確認してしまい、なんのこっちゃ?となる。
 なんでわざわざメールで?と思う事がそもそもオジサンの考えらしい。若い人たちには直接的すぎないメール特有の「間」が都合いいらしいのだ。そんなもん、生声聞いた方が良かろうに……NO NO そうじゃないんだって。ちょっとした「間」を持つことで、対人関係が上手くいくらしいのだ。
 俺なんか心配性だからメールしても返信がなかったら嫌われたかと思ってしまう。そんな不安を抱えたくないもんだからついついメールを敬遠してしまい、必要にかられいざメールするとなると、すごくド真面目に長文打って、手紙みたいになってめちゃめちゃ疲れてしまう。なんてことないサラッとした気持でメールって、なかなか難しいのだ。
 そういう時にはキョンキョンが言ってたことを思いだす。
「メールにも人格がでる」。うーん、名言だ。つまり文章や会話と相違ないコミュニケーションツールだということである。
 時代が変わったとか苦手だとか言ってる時点で、結局はコミュニケーションから遠ざかろうとしていることになってしまうのである。
 そんなドキッとした発言をするキョンキョンであるが、当の本人は「私はメールを返信するのに平気で一週間ぐらいかかっちゃう」そうだ。
 一週間メールを放っておける器のデカさ、さすがコイズミである。
 キョンキョンへの感心もほどほどに、そろそろ俺もケータイメール特有の「間」とやらをもっと肌に滲み込ませなければ、若い子たちに相手されなくなってしまうかもしれんな。



『郷ひろみコンサートツアー終了』

 郷ひろみさんのコンサートツアーが終了した。約100日間で55公演。単純に二日に一回のペースだが、全公演にリハーサルが組まれ、休演日のほとんどは移動日となる。さらにプロモーション活動のためテレビ局やイベントに駆け回り、レコーディングもこなす毎日だ。
 観客が目にする2時間のショウはこんなにも多忙なスケジュールの中から搾り出されるものである。それゆえに、尊く切なく、そして儚いものになるのだ。
 地方で待つファンにしてみれば一年に一度、彦星と織り姫のそれである。その一会を待ち、一会を噛みしめ、去り行く一会にしがみつきたくなる感情とともに、次の一会に信念を持ちながら待つ。
 スターとファンとの終わりなき旅。38年間も続くあたりまえの関係であるが、今なお「あたりまえ」を実現する郷ひろみがファンにとっては誇りなのだ。
 実現しなければならない「あたりまえ」の裏側にある現実の凄さを、じっくりと観察させて頂いた100日間だった。教科書には決して書かれない人生学習が、そこにあった。
 ひろみさんはもちろん、公演に携わったすべてのスタッフが僕の先生である。
 みなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。



『連休考』

 5連休である。ラッキーかどうかはそれぞれのご判断だろうが、おおよそのサラリーマンは休みが続くのだからラッキーなんだろう。
 俺はどうにも連休というのが気に入らない。リズムが狂う。こっちが仕事してもバトンパスする相手が休んでいては話にならない。こっちはこっちで、と割り切って進めても、連休明けに寝惚けたやつらが“えーと、なんでしたっけ?”的なテンションで対応することは目に見えてるわけで、そんなことを思うだけでストレスが溜まる。
 なんか前にも書いたような気がするが、とにかく連休なんてろくなことがない。経済効果がどうこうはわからんでもないが、普段通り働いてるやつが5日も休んだあとに、速やかにそれまでのペースに戻れるはずがない。人の体内プログラムはすべてリズムで進行している。いくらコンテンツや構成がよくても、それがいい塩梅でいくかどうかはすべてがリズムとタイミング次第なのだ。さらに5連休と有休を組み合わせてかくかくしかじか、インフルエンザとかなんとか理由つけてしかじか、そんなことしてたらひと月のうちの3分の1ぐらいは連休になっちゃって、休んだやつの穴埋めをするやつが本来の仕事に手を付けられなくなって、会社は下手クソなリリーフをマウンドに送るような負け試合を演じてしまうことになる。
 いくら消費社会といえども、それを支えるサラリーマンたちが働くなくなったら本末転倒だ。しつこいようだが、連休明けの3日間は誰もがボケた野良犬同然である。
 この国の連休って、正月とGWだけでいんじゃねーの?日数的には年間であと15日ぐらいは休み減らした方がいんじゃね?休みもいいけど、仕事もおもしれーぞ、って考えもたせて、もちろんニンジンぶらさげてさ、そろそろ活気に満ちてた40年位前の日本に戻したほうがいんじゃね?

 さて、俺はドームに永ちゃん観に行ってくっど。



『池袋のラーメン屋の出来事』

 松田優作さんの空間イベントをやってるため池袋TOBUデパートへ日参している。池袋ってあまり詳しくないが、特別なエネルギーと匂いが充満していることだけはわかる。
 昨日はラーメンを食べた。どうやら激戦区みたいだ。醤油ラーメンをベースにしたものを食べたが、なかなかの味だった。
 先日テレビで過去にラーメンを3万食以上食べたという人がいた。1日3食は食べるらしい。それも朝昼晩の3食をそれぞれラーメンで済ますということではなく、3食のラーメン+朝飯夜メシという具合らしい。それでも3万食となれば約27年かかる。毎日毎日3食ラーメン、これでは髪の毛がちぢれ麺になってしまう。
 そもそも健康食品とは言いがたいラーメンを1日3食27年間も食い続ける精神が理解できない。3日に1度、あるいは飲んだときのシメで食うから旨いのであって…などと言ったところで、そういう人たちには何にも通用しないのだろう。かくいう俺だってカレーに関してはややバカである。過去に9食連続カレーの自己記録を打ち建てたこともある。アベレージにしても週に4食は食っている。
 
 そういえば昨日入ったラーメン屋でまたまた中国人が食券を買い終わったところでなにやら興奮して店主につっかかっていた。 「レシーッ レシーッ」と叫んでいたので、店主はおそらくではあるが「メルシー」と聞き間違えたんではないかと勝手に思ったのだが、店主は親指を立てて軽い笑みを浮かべていたのである。
 中国人の「レシーッ レシーッ」はさらに続き、ようやく「メルシー」ではないと気づいた店主があたふたしはじめ、「ユー アー WHAT?」という歴史的な英語で尋ねていた。
 「ユー」と「アー」と「WHAT?」。「アナタ」「ドウシタ」「ノ?」というところに落ち着きたいのだろうが、そうは問屋が下ろさず、中国人のイライラは募りさらに声高になり「レシーッ」は続いた。
 ひょっとしたら店主の言葉を「You Are FAT?」と解釈してしまったから怒っちゃったのかも知れない。そのやりとりを聞いていた僕の左隣の韓国人女性旅行客が「メイビー リョシュショ ホシガテル」と言ったんだけど、それでも店主は「WHAT?」な顔していたので、僕が「領収書欲しいらしいよ」と最終通訳をしてあげたら、「OK  リョシュショ プリーズ ユー」とまた未来の英語で中国人に返していた。
 それにしてもなんで日本人は外国語に弱いのだろう?どうして毅然とした態度で返せないのだろう?ココは日本だ、悪いけどオレにわかるように言ってくれって言えばいいんじゃないのだろうか?そもそもまだラーメン食う前に食券買ってる人が「メルシー」なんて言うわけがない。
 ま、これも国際都市池袋のラーメン屋の日常ということか。
 少なくとも僕は、なかなか楽しませてもらったと思ってる。




2009/09/28

『プールで学習』

2009/09/25

『メールって難しい』

2009/09/24

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2009/09/18

『池袋のラーメン屋の出来事』
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