『ぼくの地元のひとたちへ』

 郡上八幡には故郷の関市からも後輩たちが応援に駆けつけてくれた。各々が自分たちの町を良くしようと与えられた環境で精一杯、市のために頑張っている人たちだ。そんな人たちにとっていちばん勉強になることは、近くの町の人々の町にかける思いを目の当たりにすることだ。
 イベントが終わって彼らは何を感じたのだろう。イベントのことはもちろんだろうが、それを支える人たちの思いに感じ入ったのであれば、それこそがやがて町の財産となる。そのために大切なことは、思いを消さないことだ。今回手伝ってくれたみんなを先頭にぜひ頑張ってほしい。

 思えば僕の故郷にはとても残念な考えを持った人たちが多い。たとえば僕たちの町と比べ、「郡上八幡には文化があるから、名所があるから」と何も始まる前にいい言い訳をしてその場から逃げようとする人がいる。他の町を理想にするのは構わないが、何も真似をしろというのではない。今、自分たちの町にある環境でなにかを始めることにより人と町は繋がりを持ち、それがやがて文化になっていくのである。
 
 なにより歴史や文化や観光名所に恵まれた郡上八幡の人たちの方が、それを存続、発展させるために日々頭を抱えていることを知るべきである。そんな悩める課題が文化とともに何十年と継承され、彼らは地元への愛を確信し、より強固にしているのである。
 
 隣の芝は青い。ならば隣から見た芝も青くしてやれ。そのためには思いをこめて故郷に水を与えてやることだ。頑張れ関市!関のひとたち!



『郡上八幡 灯りの川』

 郡上八幡、川を光で飾ってきた。恨めしい雨に降られ、びちょびちょになりながらみんなでせっせと川原に光を仕込み、木々の幹に仕掛け、小川に細工した。何十年も前から少年たちが度胸試しに飛び込む新橋から宮ヶ瀬橋方向をナメると、川面から立ちのぼる霧を包むように光が木霊する。川原には控えめで柔らかなほたるのような輝きが光の絨毯をつくった。
 川原を歩くと、ほたるの道は天の川に表情を変える。どこまでも続くような小さくいけれど逞しい灯り。せつなくて泣き出しそうだけれど、どこか勇気づけられる温もり。
 水と灯り、この町の宝物。町のシンボルの吉田川にほどこされた薄化粧を八幡城が微笑みながら見下ろす。
 提灯、風鈴、カランカランという下駄の音、傘を打つ雨音さえもBGMとなって宵の川にきらめきを添える。
 郡上八幡、灯りの川。最後には雨も味方して幻想的な二夜が過ぎていきました。
 町のみなさん、大変お世話になりました。ありがとうございました。



『クルマに乗るのが嫌な日』

 狭い道をクルマで走っていて、対向車が俺の手前で右折しようとしていた。入れてあげようかと思ったが、後ろがつかえていて道を開けてやることができなかった。右折車の後ろからもガンガン詰まってきて、クラクションを鳴らされそれが連鎖してかなり騒音になってきたので、右折車のドライバーに「このまま直進したら?」とサインを送ったところ、窓を開けて「ふざけるな!」と言われた。
 ほんの一瞬だけ冷静になったが急に頭に血が上り、ドアを開けて降りる素振りをそたら窓を閉めたので、そのまま奴の車に近づいてコンコンと丁寧にノックしてあげたら、頑なに目を合わさない。そのまま工事現場の作業員のように手をグルグルと回して直進を促したら、さっきとは裏腹にススーッと直進して事なきを得た。
 ビビるなら初めっからおりこうにしとけ。こっちは天下の往来をスムーズに流そうとしてやってるだけで、お前が憎くて誘導したんじゃない。

 3時間後、乃木坂でお巡りにキップを切られた。あれこれ書類にサインしたあと、溜め息ひとつついて発車させたらお巡りが2人がかりでピピーっと笛を鳴らして俺の車を猛追してくるではないか。これじゃまるで凶悪犯みたいだ。急停車して何かと尋ねたら「さっきお渡しした罰金の振り込み用紙の一番上の紙は、我々の控えなんですが、それをもらいそびれまして…はは…。では気をつけて運転してお帰りください」
 「はは」じゃない。もう今日はクルマ乗らない。腹立ったので飲んで帰る。



『打ち合わせ論』

 世の中の営業と呼ばれる人々は「打ち合わせ」を何と心得てるのだろうか。だいたい打ち合わせを1時間しか設定しないバカげたやつが多過ぎる。中には30分ぽっきりのイメクラのサービスタイムみたいな設定をするやつもいる。
 1時間の打ち合わせなんて、大概は最初の10分は四方山話で最後の15分は次の打ち合わせの時間が気になってソワソワして、正味35分程度しか中味のある話はできない。そして最後は決まって「次の打ち合わせまでにコレとコレを調整して、こんなことをやっておきましょう」
 まったくバカげている。だったらあと1時間延長して次の打ち合わせの際にすべきことをやってしまえばいいじゃないか。つまり1度の打ち合わせで2回分やっつけてしまえばいいわけである。
 次の打ち合わせ場所に向うために30分、そこから次の場所まで1時間、それから会社に一回戻って、また打ち合わせ場所に40分。これじゃ移動時間だけで一日の半分が終わってしまう。お前の仕事は打ち合わせよりも移動だろ。
 要するに打ち合わせを一日に5本も6本も入れるから身にならないのだ。打ち合わせは最低2時間。一日で2本か多くても3本。そうすれば移動に時間をとられることもなくじっくりと進展できる。
 「あー忙しい」と言ってる君が愚かで仕方ない。そんなもんちょっとした工夫があればもう少しまともな忙しさにたどりつけるはずだ。
 スケジュール帳を黒く塗りつぶすのが仕事だと思ってもらっちゃ困る。本当に仕事ができる人は、どれだけ効率よく打ち合わせをこなすかである。
 「あー忙しい」は、ボヤキではなく、誇り高き満足感から発する言葉でありたい。



『猛暑とエアコン』

 梅雨明けとともに猛暑だ。都内でも35℃を越えているらしい。照りつける太陽光線の強さに反比例して、誰もがギラギラした気持ちをなくしていく。おかしいなー、ほんの35年前までは太陽とともだちだったのに、今じゃお日様を避けるようにしてコソコソちょろちょろ。
 エアコンはまだつけていない。意地だ。化学的な風を浴び過ぎてバテバテになることも知っている。熱帯夜には酒を飲みすぎてバタンQ的に眠るのがいい。あちーあちーともんどりうって、朝起きたら寝汗でぐっちょぐちょ、起きがけにシャワーじゃー、これが最高。
 YAMADA電気で扇風機買いました。サーキュレーターのようなシャレたやつじゃない、銭湯にあるようなやつ。青いリボンつけて益々銭湯仕様にした。
 できるだけコイツで夏を乗り切るつもりです。

 余談ですが、兄の一郎は7月1日から9月末日までなにがあっても思いっきりエアコンを入れる人です。暑いとか暑くないとかではなく、「夏だから」という理由だけで3ヶ月間1日も休まずエアコンをつけて眠る人です。それで朝が来ると「あーえら」(※「えら」とは「えらい=しんどい」の略)、「エアコンつけて寝ん方がよかった。死んでまう」とほぼ3ヶ月間言い続ける夏のダメ人間です。




2009/07/24

『ぼくの地元のひとたちへ』

2009/07/23

『郡上八幡 灯りの川』

2009/07/17

『クルマに乗るのが嫌な日』

2009/07/16

『打ち合わせ論』

2009/07/15

『猛暑とエアコン』
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