『ヒロミゴーに学ぶ』

 土曜日にヒロミゴーのコンサート初日を観て来た。6月6日。オーメンである。確かSHIHOちゃんもこの日が誕生日だったな。SHIHOちゃん33歳か。結婚もしたし。益々幸せになってもらわないとな。
 さて、ヒロミゴーですが、いつも思うのですが、あの人は確実に人間離れしている。その体力も声帯もスピードも尋常ではない。50歳すぎてからトップギアに入った感じで、さらにもうひとつギアチェンジした感じがしてならない。それでも本人はきっと自覚などないのだろう。聞けば絶対に「毎日少しずつ進化しているだけ」と言うだろう。もちろんそれも頷けるが、それにしてもあのナンバーをあのテンションと動きでこなすのだから、ア-ティストだけのオリンピックなんかがあれば、紛れもなく金メダルコレクターになるに違いない。
 実際、あのステージに立ってあれだけのパフォーマンスをしたら、どれぐらいの消費カロリーになるのだろうか。単なるカロリー計算だけではなく、生演奏というプレッシャーと照明を浴び続ける灼熱地獄とタイトな衣装、他にもMCで次の曲へナビゲートしながらオーディエンスの要求に応えるサービス精神と、数々のステージディレクション。考えただけで消費カロリー&プレッシャーで吐きたくなる。
 俺のような生温い人間はああいう極限で頑張っている人を見ると自分が恥ずかしくなる。口先ばかりで汗をかいてない自分を戒めたくなる。反省して一瞬だけ頑張って、やっぱ疲れてバテて3日間ぐらい使い物にならなくなって自己嫌悪に陥る。だめだ、メゲる一方だ。
 ヒロミさんの「毎日少しずつ進化」という言葉を真に受けて、ほんのちょっとした努力や我慢をしてみよう。酒を一杯減らすとかアイスを2日に1個にするとか、だめだ、レベルが低すぎる。そんなことじゃなく、人にやさしくするとか、逆に厳しくするとか、人の話をもっとよく聞くとか、ゴミを拾うとか電車の席を譲るとか、そういう日々の中にある当たり前のことに心がけて生活してみよう。
 あの人は7歳も年上なんだ。あの人を見ると将来が辛くなくなる。そう感じさせてくれるだけでも、どれだけ幸せなことか。郷ひろみ、人を前向きにさせてくれる天才だ。




ツアーパンフの色校正。完成品は会場でお求めください。




『いろんなちっぽけな毎日』

 よくもまぁそんなに毎日いろいろあるもんだねと人は言う。多分日記を見ての感想だろうが、自分としては何も特別な事が起きているわけではない。ひょっとしたら誰もが見過ごしているところに関心を持って歩いたり飲んだり仕事してたりするだけで、それを日々書いているだけのことだ。
 人のことを見たり、動物を見たり、風に揺れる木の葉を見たり、音楽を聴いたり、映画を観たり、映画を観ている人を見たり、誰かに笑顔で挨拶している人が背中を向けた瞬間にぶんむくれな顔になるのを見たり、道の真ん中に転がってる犬のコウンを見たり、思い出の中に身を置いたり、見たこともない未来を想像したり、深夜の駐車場の近くのボロアパートから官能的な喘ぎ声が聞こえたり、賞味期限切れの卵をみたり…。それだけで想像力が働いて誰かに何かを喋りたくなるけど、喋ってばかりもいられないのでこうして日記にしているだけ。
 コラムでもなんでもない。単なる日記。これをほぼ毎日公開しているだけ。
 一体誰に見てもらおうとしているのだろう、自分でもよくわからない。様々な人がいろんな感想を聞かせてくれたりメールしてくれたりするけど、そういう事実がなければどこに向って何をやっているのかもわからないし、誰も見てないんじゃないかと思ったりもするけど、別にそれでもかまわない。
 ただなんとなくほぼ毎日、午前中に日記を書くと日々が始まるような気がする。前にも書いたがほとんど読み返すことはしないから、○月○日にこんなことがあったでしょと言われても忘れてしまっていることが多くて、すでに人事にちかい。
 あ、思い出した。昨日久しぶりに『わかな』さんで飲んでたらカップルが入ってきて「明日の午前中に入籍するんです」と言ってた。なんで明日なのと尋ねたら「大安だから」と言う。男46歳、女44歳、見るからに派手というか完全にヘビメタのCDジャケットみたいなご両人だが、そういう古くさいところにこだわっているところがすごく微笑ましく感じられた。
 ただ出逢ってからまだ16日しか経っていないということを知って本気で腰が抜けた。




居酒屋にて、サラリーマンの疲れた踵。




『駅前のチラシ配り』

 なんで駅前にはコンタクトレンズのチラシ配りが溢れているのだろう。そんなにコンタクトレンズを使用している人が多いのだろうか。眼鏡と違ってコンタクトレンズはしているのかしていないのかわからないから、手当り次第に声を掛けているのだろうか。
 僕の家の最寄り駅には決まって「コンタクトの○○○○○です」というチラシ配りがいる。春夏秋冬白いウインドブレーカーを着て青いチラシを束で持ち、通行人が通ると一歩足を踏み込んでカラダが接触するスレスレのところでチラシを出し、歩行者の手元目がけてスナップを効かせるのである。そして歩行者が受け取らないとまたスナップを効かせて、次なるターゲットに向って一歩踏み込みまたスナップ。いわゆるステップ&スナップ。まるでミスターが監督時代につけた球団のキャッチフレーズみたいだが、そんなスタイルが単なるチラシ配りと違って異彩を放っているのである。
 歩行者もバカじゃないからせめてティッシュぐらい付けてくれなければチラシなんぞ見向きもしないのに、そんなことわかりきってるのに、きっと配るテクニックだけで手に取らせる自信があるのだろう。ほんとうに迷惑ギリギリのところまで歩行者に近寄り、軽く“なんだよ”と思わせて足を止めた瞬間に手元にキャッチさせようという魂胆なのだ。
 一度、ツイードのジャケットを着た初老のおじさんがチラシ配りの人と路上で対面していて、「いつも声を掛けていただくが、私は眼鏡派だからコンタクトレンズなど必要ない!」と怒っていたが、結局そのおじさんはチラシ配りの人の柔らかな物腰にのせられてしばらく話し込んでいた。しかも笑顔になってたし。きっと不要なコンタクトを3つぐらい買わされたんじゃないだろうか。
 それにしても年がら年中あんなにチラシ配りさせて、一体どれぐらいコンタクトレンズを売ったら採算が合うのだろう。ほんとうに、まったく、まるで、どう考えても不思議でならないコンタクトレンズのチラシ配りの話でした。




マツモトシェィヴアイス。微妙な味だった。




『ダメダメなスッチーとスチ男』

 帰国時のエアーは某国の航空会社に搭乗したが、そのサービスの悪さに憤慨した。何度も言っておくが俺は人よりも8倍は飛行機が怖い。乗った瞬間に死ぬ覚悟でいる。胃がきりきりと痛み、腸はたぽんたぽんと揺れ、心臓は音量を上げて泣いている。そんな状態で乗っているのだからせめてスッチーには優しくしてもらいたいのだが、某航空会社のスッチーといいスチ男といい、まるで親切心のかけらもない。
 手っ取り早くメシを出して休憩でもしたいのだろう、ビーフ or チキン?そんな簡単な英語さえ早口でまくしたて、聞き返すと溜め息なんかつきやがる。コーヒーを要求すると、トレイの上に乗せろと指でトントンとやって呆れ顔をする。ペプシを要求すれば、タダだと思いやがって的な顔丸出しでおもむろにプシューっと缶をあけ、吹き出した泡が俺の右足元付近に落下しても、「ワオっ、ゲンキですねー!」ときたもんだ。日本語喋れるじゃねーか。
 数時間後、後部座席で同行した編集者Mが蕎麦のお替わりを要求したら、「ナイ」と力強く答えていた。ウソつけ、ワゴンの中にびっしり積まれてあるじゃねーか。なんてケチでいい加減で野蛮なんだこいつら。

 帰りも思いっきり揺れてくれてありがとう。お陰さまでグッタリです。
 さてと、そろそろ外に出るか。コイツらでもとりあえず機内で見送りしてくれるんだなと思っていたら、プレイメイトが檄太りしたようなパツキンのスッチーが、非常用扉に持たれてガムをくっちゃくっちゃやりながら偉そうに腕組みをして、しかも脚までクロスしてやがった。メジャーリーグでお払い箱になった選手が大物助っ人として日本にやってきてテキトーにプレイしてるような、そんなオーラも未来もないいい加減なパツキンの態度を見ていたら、なんだか笑えてきた。
 彼女とすれ違う時に目が合った。涼しい顔して温度のない声で「どもありがと」と言われたので、精一杯の英語で「デザートに君の噛んでるガムが欲しかった」と言ってあげたら、一瞬ガムを噛む口がピタリと止まった。
 日本野球を舐めきったメジャーリーグでキャッチャー前にぼてぼてのバントヒットを決めたような気分になった。
 おかげで素敵な思い出がもうひとつ増えた。ありがとうスッチー&スチ男くん。




あたらしいともだち。ようこそ日本へ。




『ゴルフと新人マネージャー』

 ロケがスムーズに運んだので最終日はオフとなり、ワイハ伝説のコーディネーター・マイクさんの政治力でハワイNo.1人気を誇るカポレイ・ゴルフクラブをリザーブしてもらい7年振りにコースに出た。
 井上真央ちゃんは今回が初コース、しかも過去に打ちっぱなしが1回だけという超もぎたてな鮮度で緑のジュータンに立ったのだが、これが実に将来性を感じるプレーだった。
 なにしろアドレスが抜群に良い。ナチュラルスタンスながら大地をガッシリ踏みしめてツーケをぴょこっと出して、上半身をなだらかに反らせて視線をボールにキュッ。完全に「画」である。しかも全身を濃淡のピンクで統一。グッとくるどころではなく完全に熱射病である。
 ただゴルフとはいくらキャワイクたってそんなに甘いもんじゃーないよと鼻で笑おうとしたら、いきなり150ヤードをパカーンとやられてしまった。その後も方向は右往左往するが球筋だけは1ホールごとに確実に修正、いや成長していくのである。一打ごとに集中する空気は近寄りがたく、それを目の当たりにしながら女優という職業の瞬間のコンセントレーションにちらりとビビった。
 俺はといえばカート道で干からびそうになったカエルを発見して、このままでは干上がってしまうと思って急遽252しようとしたが、15センチを超えるサイズだったのでブッシュで雑草駆除するように苦戦しているカメラマンのLUCKMANを呼び、彼の手づかみにより無事救出完了。ゴルフボールの箱に入れてカエルくんのために池まで猛スピードでカートを飛ばしたら、カーブで遠心力が働き、箱ごとカエルくんはダイブしてカート道に叩き付けられひっくりカエルになってしまった。
 お陀仏かなと思ったら、ブリッジみたいなカッコをしてなんとか体勢を正常位に立て直してたのでホッ! もういちど箱に入れようとしたら口をグア~と開けて俺の目を凝視した。やっぱカエルくんにも感情があるのだな、しかも今、確実に彼(彼女かわからないが)は怒っている。そう思うといち早く池に還してやらなければと思い、今回はLUCKMANの膝の上に大切に乗せてから池へ急いだ。
 そしてカエルくんは、無事、スイスイと池の中を泳いで行きました。

 カエルくんの話はいい。真央ちゃんだ。彼女は22才になった。大学も卒業した。卒業旅行は女優としてではなく学生として行った。かなり質素な旅だったらしい。売れてもそういう旅が出来る、いや、しようとしたことが偉い。彼女は今、素敵な女性になり素晴らしい女優になった。彼女は素晴らしいスタッフに支えられている。家族がもうひとつあるみたいだ。大切にそして厳しく見守られている。
 そんな彼女に同い年のマネージャーが就いた。200倍近い難関を突破しての晴れ舞台である。そして彼女もまた健やかな性格で数々の不思議ちゃんぶりを発揮して旅にアクセントを付け加えてくれた。
「ハワイって全部ハワイ島じゃないんですね」。どうやら彼女はハワイの島々は全部まとめてハワイ島だと思い込んでいたらしい。彼女はきっと父島も母島もなく全部まとめて小笠原諸島と思っていることだろう。さらに「今日はダイアモンドヘッドにいい波がたつらしいですよ」。すみません、それ山です。
 このような言動はほんの序の口に過ぎず、プロダクションの許可さえ出れば連載で紹介したいほどの天然振りである。そういう彼女も含めて、真央ちゃんにとっては恵まれた環境と言えるのだろう。




アラモアナビーチ夜景。ベタだが泣けるほど美しい。





2009/06/08

『ヒロミゴーに学ぶ』

2009/06/05

『いろんなちっぽけな毎日』

2009/06/04

『駅前のチラシ配り』

2009/06/03

『ダメダメなスッチーとスチ男』

2009/06/02

『ゴルフと新人マネージャー』
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