『丸の内ミッドナイト』

 昼間が辛くても夜がある。夜辛くても明日がある。学生時代の持て余すほどの時間はないけど、それでも自分らしい時間を見つけ希望を持つことはできる。
 大人の放課後、文化祭。誰もが社会の苦しみを知らない学生のような笑顔でその瞬間を渡っていた。過去でも未来でもない今という宇宙を、ほんの少しの儚さを携えながらむじゃきに遊び、それぞれのいつも通りの時間へ帰っていった。
 楽しむことは力になる。思い返す刹那は心を肥やす。
 昨晩お会いしましょう。
 丸の内ハウスの数百人のむじゃきな人たちへ。




やっと本気だしてきたね。桜くん。




『さくら』

 歳をとるごとに桜を見ると切なくなる気がする。昔は「わー咲いた」と喜んでいたが、今は「いつまで咲いていられるんだろう」と花びらが散り落ちることを考えてしまう。花見というのもけっこう面倒くさいもので、外もまだまだ寒かったりするものだから「いいや、来年もあるし」と誤摩化してしまう。
 よく考えたら今まで「よしっ、花見するぞ!」と本気で臨んだことなんてなく、桜並木の街で働いていながら桜に対していい加減だった。
 毎年川沿いの洋服屋さん主催の花見会が行われて、きっぷのいいスーさんが酒や焼き鳥をふるまってくれる。3軒となりの高野さんもいろいろもてなしてくれる。道を挟んだマハカラのビルゲも、ごった返すお客さんをすり抜けて、ちょこちょこと差し入れしてくれる。まるで代官山でハリウッドランチマーケットのゲンさんが年末、街の通行人につきたての餅と甘酒をふるまってくれたように、中目黒にもちょっとした田舎感ができたと嬉しく思っている。
 今年も街のみんなに甘えようと思っているけど、その前にひとりで池尻までぐるっと川沿いを1時間ぐらい歩いてみよう。歩き疲れてグビッと飲んでプハーでベロベロ。これが俺にとってもっとも相応しい花見のような気がする。



『精算』

 今日で3月もお終わりか。ってゆーか明日から4月か。いろんなものが今日付けで精算されてくんだろうな。テレビ番組なんて顕著な例で、ワイドショーでは公共の電波を利用してキャスターの卒業式みたいなことが大々的に行われてる。そういう内輪ウケ的なセレモニーをなんで盛大にやるのだろうと常々思う。
 番組を降板するだけで芸能界や局を辞めるなわけじゃないんだからそういうことはせめて放送終了後にしたもらいたい。たとえば週末の午後帯にある番宣絡みの放送枠を利用して辞めて行くレギュラーを特集して「お疲れさん、○○アナ」とか、そういうカネのかからないところでやった方がスポンサー的にもいいような気がするのだが。
 企業の人事異動なんかもガラっと替わり社員は一喜一憂するんだろうな。とんでもないところに転勤させられたら夜の街でうっぷん晴らすしかないもんな。とはいえ場末のスナックやパブしかなくて、そんでもって東南アジアあたりのホステスといい仲になってスッカラカンにさせられて大転落だ。
 つらいな、会社員って。
 広告代理店なんかも営業担当がゴロっと替わってまた名刺交大会だよ。この季節になると、こういうことばっかずーっとやってる気がするけど、仕方ないよな、会社ってそういうもんだから。
 もっと生産的な人事異動ってあると思うけど、そういう部分に力を入れているところってあんまりないんだろうな。せめて同じ部署、同じ担当を石の上にも3年はやらないと得意先を中心とするコミュニケーションが確立できない気がするけど。

 3月は疲れたわ。ほんとーに疲れた。人に「疲れた」って言うと聞いた人が一番疲れるってお袋が言ってたけど、許してくれ。今日だけはみんな疲れてもらって、明日からリフレッシュして新しい時間を楽しみましょ。




反対の目はものもらいで公開できません。





『在日の友人とWBC』

 韓国国籍と北朝鮮国籍の在日の友人とめしを食っているときにWBCの話になった。それぞれ国籍は朝鮮半島にあるのだが、イチローが決勝のタイムリーを打ったときにはガッツポーズが出たと言っていた。
 それまではなにがなんでも日本に勝つことを願っていたそうだが、緊迫した場面で突き抜けたイチローのヒットを見て、勝敗などどうでもよくなったのだと。さらに、“どうして俺達は日本で生まれ育っているのに日本人じゃないんだ”というもがきを吐いていた。
 逆の試合展開になったときに、果たして僕は素直に韓国チームに感動できただろうか。日本人はみな、韓国チームに拍手を送ることができただろうか。

 野球の世界大会の決勝戦で日本と韓国が死力を尽くして戦った姿は、人々様々な感慨をもたらした。野球の本場アメリカではこの試合を脅威に感じたろうし、中南米諸国の野球関係者も、日韓のレベルの高さに感服したことだろう。
 卓を囲んだ南北の友人たちの複雑な胸の内を知るとともに、スポーツの本当の素晴らしさを垣間見た気がした。ひょっとしたらスポーツには世界平和を最速で実現させる可能性があるんじゃないかと思った。
 もちろん、なんとなくだけど。

 ミサイル、撃ち落とすとかじゃなくて、なんか方法ねーかな?




南北では微妙に違うみたい




『ヒロミゴー、ツアーパンフ撮影』

 昨日は郷ひろみさんのツアーパンフの撮影だった。この仕事をさせていただいて4年目になるが毎年ハードルを高くしていくのが楽しみでならない。毎回出来上がったときには充実感に満たされるが、次第にその鮮度も薄くなり、さて次はなにをやろう?どうしたい?という欲求にかられていく。
 素材は郷ひろみである。これほどの極上素材をさばくにはそれなりの覚悟がいる。単にアバンギャルドなことをやればいいというのではなく、被写体の持つ魅力にフォーカスして、まずは弾丸をぶち込んで、空いた風穴からエネルギーやファンタジーやロマンスを溢れ出させるのだ。
 まだ撮影が済んだばかりであるが、現段階ではどうしてもやりたかったことができた。あとは味付けである。どんな皿に盛るか、どんな空間でどんな灯りを選ぶか、それとも月あかりや夜景の光が射す場所にしようか。ワインはやっぱり白だろうか。
 ツアーパンフにはディナーメニューを開くような高揚感がある。主役の料理にはなれないが、客の心を打つシェフでありたい。
 最初の客は、郷ひろみだ。『おいしいね!』。そのひと言を信じて頑張ろう。




林家ぺーかと思った。





2009/04/02

『丸の内ミッドナイト』

2009/04/01

『さくら』

2009/03/31

『精算』

2009/03/30

『在日の友人とWBC』

2009/03/27

『ヒロミゴー、ツアーパンフ撮影』
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