『ユウジの彼女からの手紙』

 ジーパン再生職人のユウジがまたまたジーパンを生き返らせてくれた。針と糸に縁遠い俺には到底出来ない芸当に感心することしきり、手に職がある奴は羨ましいと改めて思う。
 ユウジは金は要らないというが、そういうわけにもいかず、払う払わないで軽い押し問答が展開されたが、じゃひとつお願いを聞いて頂けますか?と珍しくノドを鳴らしてきたので、なにかと聞いたら、ユウジの彼女が長年憧れて止まない○○のサインを欲しいというのである。ふむふむ、そういうことは容易いことではあるが、実は有名人にサインをもらうことがあまり好きではなく(ツーショット写真はかなり好きだが)気乗りしなかった。しかもそれはジーパンのリペアの対価となるので、これって職権乱用じゃねー?と思い拒んだのであった。
 が、物は考えようだ。それはそれとして叶えてあげたい。とはいえ、毎回そのテのリクエストは頑に断ってきた。さてどーする?結果として俺はユウジの願いを叶えた。その成り行きについては自分で納得できる理由を考えたのでそれでいいと思う。かといって、今度そういうお願いをされたとしてもきっと断る。リペアのお礼はこれからキッチリしようと思うし、彼がそれを本職とする日には一役買いたいとも思ってる。

 金曜日にユウジの彼女から手紙が届いた。美しい字で書かれた文字は、便箋から香りたつ匂いと相まって俺の心にすっと入ってきた。どうしたらこんなに美しい文章が書けるのだろう、どうしたらこれほど心を素直に表現することができるのだろうという素朴な感動が俺中を巡った。こういうことで人の願いを叶えることは良くないと思うが、こんなに素敵な手紙をもらえたことでなんだか俺の方が恐縮してしまった。
 できれば渋谷のスクランブル交差点の真ん中で大声で読み上げたいぐらいの文章である。
“若者たちよ、いや中年も含めてみんなみんな、あななたちはこんなに素敵な手紙を書けますか。”
 街には一気に寒さが運ばれて来たが、俺の心はちょっとだけぽかぽかなのである。




ポケットにはマロン。皮タグにはMB。ユウジありがとう。




『贈り物』

 大好物のラ・フランスが送られてきた。続いて大好物の宮崎地鶏が送られてきた。
 ラ・フランスはアーティストマネジメント会社を経営する若きプリンス・鈴木くんからの贈答である。彼はまだ30そこそこなのに、電話の会話ひとつにも笑いに対する気を抜かない。とりわけ第一声に対する思いは並々ならぬものがあり、さらりとした中にもコクとキレがあるチョーヤの梅酒みたいなシュールなギャグで、俺をほろ酔い気分にさせてくれる。まだまだ31歳、将来を期待させる業界のホープは美形でまつ毛が長く、ザッツ東京人と思わせてといて実は山形出身である。だからラ・フランス。夏にはさくらんぼも送ってくれた。鈴木君、夏も秋もありがとう。まだ春も冬もあるからね。

 宮崎地鶏を送ってくれた柿木三男くんとはまだ会ったことがない。親友のニシの後輩で、彼の口からマロンを知りなんとなく好感を抱いてくれているそうで、こうして時々素晴らしいお届けものをしてくれる。どうやら柔道ではかなり鳴らした腕前らしく、会った途端にごめんなさいと言ってしまいそうな風体だとニシは言っている。宮崎県都城市、かつて俺が小学校の頃に文通していた筒田尚子ちゃんと同じ住所だというところがほろ苦い(尚ちゃん、元気かなぁ?いきなり宮崎へ転校しちゃうんだもん、そりゃ手紙書くよね。今だったらやっぱメールかなぁ?味気ないね)。
 いずれ柿木くんとは豪快に酒を交わさなきゃならんと思ってる。もちろん宮崎で。“フェニ~ックス!”とかなんとか叫びながら。

 15歳も年下の後輩とまだ会ったこともない九州男児。君たちの御心に感謝致します。しかも人間ドックが終わったばかり。素晴らしいタイミング。ラ・フランスと宮崎地鶏に負けないくらい、君たちが大好きだ!




かわいいね、ラ・フランス。


地鶏はタタキ&カラアゲ&テバサキ。(ウクレレは別売り)





『フミヤ』

 フミヤさんのインタビューは痛快だ。完全にインタビューを越えて会話になる。同学年ならではの、なにか特別な感覚の擦り合わせみたいなものがあって、トントン拍子であらぬ方向へと転がってゆくのだが、それが実に小気味良くて幸せな気分になる。弟の尚之くんとは10数年来の飲み友だちだが、兄となると実はまだ2回しかお会いしたことがなく、そのどちらもが仕事なんけど、どちらもたまらない時間となって俺のなかの何かを掻き立たせ何かを満たしてくれる。
 矢沢永吉さんとか郷ひろみさんとか先輩達の生き様を見ているとハッパをかけられたような気になるが、同学年の藤井フミヤとなるとさらにケツに火が点く。かといって、バンバンに燃えさかっていれば良いということではなく、46歳なりの経験を引き出しの中から出し入れしながら、それなりに生きていこうという、ナチュラルな勇気を湧かせてくれる男なのだ。
 勝手な言い方をすれば、貴重な男なのだ、藤井フミヤは。コンサートのステージプロデューサーが矢沢さんとヒロミさんと同じ方というのも何かを感じる。その方も男気溢れる素晴らしい大先輩なんだけどね。
「ヤザワさんがいなきゃ、東京なんて出てこなかったね」
 効いたなこの言葉、おんなじだ。



『小室さんと人間ドック』

 明日は人間ドックなので今日は飲めない。念のため昨日も飲んでないのでなんか変だ。
「人間ドックだからといって飲まないのはおかしいよ」。いつもどおりの生活の中で診てもらってこそ意味があるんだからと誰かは言ったが、そんな誰かに限ってなにかある前日にはものすごい準備をしていて、確か人間ドックの一週間ぐらい前からダイエットしていたことを思い出す。別に体重や体脂肪率なんてどうでもいいじゃんと思ったら、どうやらドックをエスコートしてくれる病院の女性がみんなキレイらしくて、ドックは長丁場なので“ひょっとしたら”という、ヤマしくも健全な期待をもってドックに臨むのだと言っていた。

 あー、怖い。バリウム。胃袋に鉛の液体を詰め込むみたいで。やだやだ。小室さんはこれからしばらくの間、そういう気持ちなんだろうな。毎日が人間ドックにかけられて、丸裸にされて悪いところがないかと徹底的に調べられて、なんだか残酷だ。半年ぐらい雑誌の連載で担当させていただいたけど、僕の書いた原稿をしっかり読んでくれて、「こんな表現じゃなくて、たとえばコレにかかるようなニュアンスを含めば文章的に展開が変わると思うよ」と時間をさいて真面目に厳しく接してくれた。クリエイターとして本当に尊敬できる人だったのに、残念だ。

 人間は大人になったら定期的に人間ドックをした方がいいよね。知らないうちに自分の中で忘れていたり蔑ろにしていることが見つかって、蝕まれていることを発見することは大切なことだ。
 なによりも、日々の中でそうならないように、自分らしく、かつ健全でいられるように努めることがもっと大切だけど。



『非常識な住宅販売会社のバカ営業』

 連休中の夜11時に住宅販売会社から電話が鳴った。今何時だと思ってるんだと言ったら「遅いですか?」と返してきたので、遅いか早いかはあなたの常識で考えてほしいと伝えたら、「そうかなぁ、遅いかなぁ…じゃ何時だったら遅くないんですか?でも普段お忙しいんでしょ?だったら平日は電話かけられないじゃないですか?」と軽く逆切れされた。何年か前なら甘い囁きで罠をかけてそいつを呼び出してから、こっぴどく追い込んでやるところだったが、もはやそんなことにエネルギーを消費する気にはなれない。「今度電話かける時は社長だか所長だかに“遅いでしょうか?”と質問してからかけてきなさい。」と言って電話を切った。
 家を売る人間がそれぞれの家の事情を省みず一方的に商売をもちかけるのはいかがなものか。そんな輩が平気で一生に一度の商品を売っているなんて、世も末だ。




2008/11/10

『ユウジの彼女からの手紙』

2008/11/07

『贈り物』

2008/11/06

『フミヤ』

2008/11/05

『小室さんと人間ドック』

2008/11/04

『非常識な住宅販売会社のバカ営業』
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