『ジーパン再生職人』

 7年前にスタイリストの古田ひろひこ氏からプレゼントされた古田氏オリジナルブランド『UNSEAKY』のデニムが好きで、他のデニムを差し置いて穿きまくったところ、膝が抜け、股間も抜け、ポケットも抜けた。もうそろそろ穴あきビリビリもどうかということで、リペアに出すことにした。ただ、どうせ出すのだったら直しというよりはリ・ボーンを願い、手先が器用で料理屋の厨房からカフェのパティシエ、洋服づくりまでこなすフリーランス職人のユウジに頼んだ。
 ユウジには以前にも麦わら帽をリペアしてもらったことがあるが、その出来映えが抜群に丁寧だった。ツバの部分が長いのが嫌いな俺に、工夫を凝らしてツバを短くして補強するための糸を革ヒモに変えて、愉快に遊んでくれたのである。
 そして本日、デニムがリ・ペアされた。好きにして良いよと言っておいたので、今度はどんなになるのかと楽しみにしていたら、予想どおり好き勝手に遊んでくれた。傷んだ箇所にデニム地、レザー、リネンを大胆に張りあて、黄色と赤の糸でアクセントをつけ、なんとダメージのない部分をちょん切って逆ダメージを与えてそこに焦げ目をつけていた。
 俺はこういうことろに大いに感動する。単に好き勝手にハメを外すというのではなく、頼まれた人のことを想像しながら自由に手を動かしていく、その人に合ったオリジナルを作成することが大ちゅきなのである。
 もうひとつ、12年前にサッカーの前園から誕生日プレゼントにもらった1945年製の502があまりにも傷んだというか、もう生地がほとんどガーゼ状態になってしまったので、これも頼んだところ、あまりにも生地が薄いということで、裏からあて布をしてくれていたのだが、これがほとんどレギュラーデニムと同じオンスであてられていて、穿いたらゴワついておろしたての柔道着みたいだった。
 考えてみればこの502は63年モノ。終戦時に製造された歴史的なパンツである。このゴワゴワ感を何十年もかけて肌にフィットさせていって、俺が死んだらまた誰かが履いてくれればいい。
 とにかく大切なジーンズが生まれ変わって、とても嬉しいのです。



ユウジ、ジーパン生き返らせてくれてありがとう。





『謝謝』

 平日だけ毎日続けようとしている日記ですが、オリンピックの見過ぎで疲れて書けませんでした。明日からまた復活します。それにしてもオリンピック、また してもスターを発掘。競泳男子200メートルバタフライで銅メダルを獲得した松田選手のコーチが浅香光代にくりそつでたまげた。お話を伺いながら、松田選手との間にフィフティフィフティの信頼関係があるんだなぁとさらに感激。そういうところが一番泣ける。なんだか浅香光代の人柄までもが美しく思えた、良い一日でした。



『バドミントン中国ペア』

 連日熱戦を繰り広げている北京五輪であるが、もちろんスポーツ観戦オタクの俺は24時間態勢でテレビにかじりついている。どの競技も前回のアテネを上回るレベルで、そのパフォーマンスは茶の間で焼酎グラスを握る俺を大喜びさせてくれている。
 そしてついに今大会のスーパースターを発見した。バドミントン女子ダブルス、オグシオと対戦した中国ペアの2人である。もちろん最初はオグシオ目当てでウッキウキウォッチングしていたのだが、その個性的と言うか突き抜けたキャラクターに愕然としてしまった。どうしてオグシオは男子ダブルスと対戦するのだろうというストレートな疑問が浮かぶほどにその存在感はMANだったのである。
 もう腰つきからして違う。4000年の歴史を濃密に詰め込んだ頑丈そうな骨盤、その横幅を少しも変えずに上下にどしんと伸びた安定感のあるボディライン、力強いガニ股、顔と同じ幅の首、そして何よりも感動したのは髪型である。ひとりは完全なプロゴルファー猿でもうひとりは美川憲一なのだ。かろうじて美川の方は耳にピアスをして女性らしさをミリレベルでアピールしていたが、前者は人類の歴史を学ぶ教科書に出てくるような感動的な存在だった。
 俺はすっかりオグシオの応援を忘れて中国ペアに惚れ込んでしまった。スマッシュのスピード、リストのパワー、声のデカさ、どれもがオグシオを爆発的に圧倒していたのだ。
 今大会のオグシオは、その美貌を引出すにふさわしいワンピースのユニフォームを着て、さらにプリティに闘った。その模様はきっと写写丸あたりがマニアックに披露してくれるに違いない。もちろんスエマエの大健闘にも興奮したが、ワンピースの着こなしに関してはオグシオが歴代1位のぶっちぎりであることも見事に証明された。が、そんな偉業もふっ飛ぶほど中国ペアのキャラは凄かった。
 朝のワイドショーに出てくる、事件現場の近くに住むインタビュー好きのおばさんよりも濃いオリジナリティ。この人たち、バドミントンしてないときはどんなカッコしてるんだろうという興味と、バドミントン選手を引退したらどんな仕事をするのだろうという不安、そしてもしこのふたりがオグシオと同じユニフォームを着たら、そのまま中継されるのだろうかという心配が俺の血を余計に逆流させた。
 ああいう人たちにこそビューティーコロシアム系の番組に登場していただいて、視聴者にあらたな感動を与えてほしいと本気で思いながらも、また今夜、彼女たちに会えることが嬉しくてたまらない。




コートに土下座。
日本人は感動表現も芸術性にあふれている。




『vs蚊』

 エアコンをつけて寝るのが苦手なので極力扇風機だけで寝るようにしているが、扇風機をつけたまま寝ると皮膚呼吸ができなくなって死んでしまうという、小学校4年ぐらいの時に聞いたことをけっこう本気にしているので、いつも寝る時にはかなり緊張している。ひょっとしたら今夜が最後の睡眠で明日からは永眠、なんてことを心の片隅に置きながら俺の深夜は暮れてゆくのである。
 ところがこの暑さときたらとても扇風機だけではたまらず、寝入ってから2時間後ぐらいにはかならず汗びっしょりかいて、育ち盛りのこどもみたいな状態になっている。敷き布団はもうビッシャビシャで毎朝2時間は日干ししないことには、カビとダニの巣窟になってしいそうな勢いなのだ。いやぁ、ほんとうに寝苦しい。小学校の頃はエアコンなんてなかったし、中学時代もベランダに出れば涼をとれたのに、やっぱ日本の夏は本気で壊れはじめているのだろうか。
 そしてもうひとつの天敵。蚊。これほど憎たらしい生き物は他にはいない。これほどカラダの大きさに差があるのに手に負えない奴もいない。なぜあいつらはこんなにも俺を苦しめるのか。しかも寝苦しい夜に限って独特のサウンドで俺を苛立たせ、そして睡魔に溺れてコクッとなったときにプチっとやる。ポリポリ、もう痒みはおさまらない。眠すぎて神経が麻痺しているため勢い良く掻きむしりすぎて、気付けば翌朝には刺された箇所がホーストのローキックを浴びたベルナルドの太腿みたいになっていて、しかもシーツには血がにじんで夜中にどんなロンリープレイをしたのかと疑われてもしかたないほどの状態になっている。
 2年前に行きつけの寿司屋の女将に『ナイス蚊ッチ』というバドミントンのラケットみたいな蚊取りマシンを頂いた。このマシンは蚊を目がけて振り回し、ラケット面にある金属製のガット(編み目)でキャッチしたところに電流を流してお陀仏にするという画期的なマシンである。ところが俺はどうもこのマシンの使い方が下手で、過去に一度も蚊をキルしたことがない。そればかりか、電源を押しながら振り回し、ガットが左肘を直撃し全身ビリビリでガイコツになりかけたこともある。それ以降、これは危険と判断して押し入れの片隅に追いやっていたのだが、この夏の暑さで2年振りに復活したわけである。
 そして昨夜。用心には用心を重ね、慎重にナイス蚊ッチを扱うこと20分、見事に初蚊ッチに成功したのである。ガットに挟まりもんどりうつ蚊ッチを一気に処刑しようとスイッチオンしたのだが、なんと電気切れにて処刑失敗!慌てて手のひらでガットをバシっとやったが、蚊ッチにはヒットせず、その反動で蚊ッチは自由の身になりどこかへさすらって行ってしまった。
 結局、昨日も睡眠時間3時間。おそらく今夜も昨日取り逃がした蚊ッチが襲ってくることだろう。運良く生き延びた蚊ッチは、執念深く今夜も俺を襲うに違いない。かなり緊張するが、今夜こそ単3電池を用意して完璧な初蚊ッチを成功させてみせる。悪いけど、今の俺は超本気だ。もう決して逃がさない。
 そんなわけで、俺にとってはオリンピックよりも大変な闘いが続いているのである。




虎の門の緑地。涼しいがモーレツに蚊が多い。




『北京五輪開幕』

 空は何を怒っているのだろう?稲妻を走らせたり大音量で空中に怒号を響かせることは尋常ではない。地べたにいる人間は怒りの涙雨を浴び、木々は稲妻に切り裂かれる。一体なにが…

 北京オリンピックは大丈夫なのか。開幕直前にして近郊でテロが頻発している。マラソンコースに設定された道はスモッグに覆われ、選手の喉を汚染すると言われている。理不尽な程に急騰したチケット、売れないとわかれば急激に値段を下げ、急騰期に購入した者との間に諍いが生じる。
 世界規模のイベントを成立させるためには地球的規模のダメージを与えることがつきものなのか。
 急激に発展する中国ではあるが、まだまだオリンピックを開催できる条件は揃っていない。むしろ矛盾だらけだ。4年に一度やらなければいけないという義務感など必要ない。五輪を開催するたびに、人類は進化繁栄し、地球環境も改善されてこそ平和の祭典ではなかろうか。あまりにも商業的になりすぎた五輪を実施するには犠牲になるものが多過ぎる。そもそもオリンピック精神とはどこへいってしまった?水着が世界を競うのか?勝てる選手はケミカルで育成されるのか?先進国の国威を競う場所なのか?アマチュアとプロの境界線はどこへ行った?オリンピックはいったい、どこへ行った?
 
 怒り狂う空の下でオリンピックが始まる。
 せめて選手たちの躍動が、人々の心を清くしてくれますように。




友人の芸能プロ社長のバッグの中身。
見てたら目がつぶれそうになった。
サイフ以外はオール中国産。





2008/08/14

『ジーパン再生職人』

2008/08/13

『謝謝』

2008/08/12

『バドミントン中国ペア』

2008/08/11

『vs蚊』

2008/08/08

『北京五輪開幕』
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