写真日記『中目黒・桜だより』その2

時間があいてしまいましたが、今日の桜をお送りします。

朝からずっと雨で しとしとしっとりした桜たちでしたが、
午後から晴れ間が見え、光が射してきました。

それに伴うように人も集まってきています。

------------------------------------------

・・・カメラを川に落とさないかいつも不安なモエより。














真剣です。

花より・・・女子???
波うつさくら
・・・だ、そうです。
桜は全体を見るのがきれいだといいますが・・・
花びらゆらゆら流れます。



『メタボ』

 腹まわりが太くなってくるとなんでこんなに自信がなくなるんだろう。外見的にはまだデブの領域までは到達していないと思うが、俺の中ではmy腹は完全に肥満児である。気がつけば腹筋は消えていて、へそから半径10センチの円周がメロンパンみたいになっている。しかも焼きたて。うまそう。
 こうなると昔の印象が厄介だ。かなり本気でスポーツをしていたし、顔も細いのでおよそデブとは遠い印象だが、実際俺の腹にタッチした奴らは、「うそっ」と目をむき出して言う。心ない奴は「デブの印象がないだけに、その腹はかなりショックですよね」と脂肪に突き刺さるような言葉をあびせるのだ。
 言っておくが俺はメタボだがデブではない。もちろん今のシルエットには俺だって納得していないし、そんなことを言う意地悪な奴らを見返したいが、今俺は人生の中で記録的に食欲が旺盛なのも否めない。しかも酒もかなり美味くて、日々のカロリー摂取量はシンクロ選手並みに高い。
 ならば消費カロリーも高めようということで、水泳と自転車通勤を実践するものの、余計に食欲が弾んで仕方ないから泣きそうである。
 そんなことを仕事仲間に相談したら「その歳でこれだけの食欲は健康な証拠ですよ。食べたいという気力がないより、もりもり食ってバリバリ働いた方が男としてカッコいいですよ」とリターン。そのひとことで救われた気持ちになり、つい2時間前にハンバーグ定食を食べたばかりなのに、カレー屋に入ってチキンカレーにチーズと半熟玉子のトッピングまでかけてしまった。
 結果、またまた焼きたてメロンパンである。食っては後悔し、後悔しては食う。
 そして俺はまた大好きなカレーのことを考えながら日記を書いている。
 かなり重症になってきた感じ。本気でヤバ。

 と悲観的になっていたらテレビで芋洗坂係長が登場して、デブならではのチャーミングさと、それでも動けるという落差の魅力を披露していたので自信が沸いた。



『そして後輩』

 写真家・笠井爾示がひょんなこと(もちろん酔っぱらって)で電話をしてきて久しぶりに仕事をしようということになり、互いに口約束が嫌いなため一週間後には仕事をする約束をした。
 そして打ち合わせをしながら、互いに最近何やってる?という話になり、笠井は『SWITCH』で桑田佳佑を34ページ撮ったとかハリウッド俳優の誰それを撮影したとか、相変わらずズバ抜けた仕事をしていて頼もしさを感じさせてくれた。
 しばらく会っていなくてもそれなりに頑張っている奴は頼もしい。そういう奴とひさしぶりに会うと、失礼な表現ではあるがすごく成長して見える。きっと仕事の質は人間的な成長にも繋がるのだろう、それが大袈裟だとしても、仕事により自分に自信をつけていくことは明白である。
 となれば俺は笠井の目にどう映っているのだろう?不安に思うこと自体ちょっと弱気なのかもしれないな。まぁいいや、俺は俺、それなりの毎日には悩みもあれば喜びもある。誰かの目に映った俺がきっと今の俺そのものなのだ。
 さて。笠井との話は『人』に及ぶ。最近会った奴でまた会ってみたい人って誰?できれば男で。という話をした。ほー、いいね、そういう人。なるほど、そりゃ興味深い。こんな言葉を並べながらそれぞれの話から人物像を描くのだが、その絵はあくまでイメージに過ぎないということで、じゃ最近じゃなくてもいいから顔の分る有名人でいい奴を言い合おうということになったら、それぞれが「玉木宏」と答えた。
 笠井は玉木くんの写真集を撮影したハワイでの彼のいい奴エピソードを並べてくれたが、僕は特別玉木くんとの思い出があるわけではない。わずか3、4回、それもほんの短い時間会っただけだが、なぜか嫌と言うほど彼が素晴らしい青年であることを感じてやまなかった。それにまつわるほんのちょっとしたエピソードを話したら、「そういう奴なんですよ」と笠井は嬉しそうにうなずいた。
 売れっ子俳優を肴にしておじさんたちが昼下がりにピーチクパーチクやるのは甚だ失礼だが、それでも今時の若い男に関心を持つことは嬉しいものである。
 俺は今45歳で、目標とする先輩たちがひとりふたり現役を引退したということもあり、気がつけば先輩の数よりも後輩や年下の数が遥かに上回っている。その中にはいい奴どころではなく、確実に尊敬に値する後輩たちもわんさかいる。
 体育畑で育ったせいか、後輩に尊敬という思いを捧げることは苦手だったが、それでもいい歳になり、尊敬に年齢など関係ないということを平気に思えるようになった。逆に言うならば、後輩や年下への敬意を拒んでいてはロクな先輩になれないのだろうな。
 これからは偉そうな口きかずにもっともっと後輩たちに配慮しよう。
 と思ったが、いつまで実行できるかまるで自信がない。



『コインパーキングにて』

 深夜のコインパーキングでストッパーが下りなくなり、看板に書いてある管理事務所に連絡すると、業社の者に急いで行かせるから申し訳ないがしばらく待っててほしいと懇願された。
 んで、どれぐらいかかるのかと尋ねたら、思いっきり急がせて30分程度かかるという。時に深夜2時。そこからの30分は長い。酒でも飲んでれば一瞬だが、眠い目をこすってただボーっとするしかない俺にとっては気の遠くなるほど長い時間である。

「なんで30分もかかるんだ!」
「いちばん近い場所にある業社に行かせますから、なんとか」
「何時だと思ってるんだ?」
「すみません、お怒りは重々承知でございます」
「俺は時給10万の男だぞ。しかも深夜料金は倍づけだ」
「…飲んでらっしゃるんですか?」
「…あっ?」
「…ひょっとして飲んでらっしゃるんですか?」
「そんなもんお前が確認しにこい!」

 20分後、業者とやらがボロボロのライトバンでやってくるなり、俺に歩み寄り話しかけた。
「飲んでないですよね?」
 
 御免なさいも申し訳ありませんもご迷惑かけましたもクソもありゃしない。こいつは管理業社に頼まれて、俺が飲んでないかどうかを確かめにきたのだ。しかもストッパーの修理そっちのけで。
 きっと電話によるやりとりで俺が言ったフレーズを酔っぱらいのセリフと解釈したのだろう。
 さてかけつけた業者はと言えば、警察じゃないからおもむろに息を吹きかけさせようとはしなかったが、明らかに俺の口元に意識を集中させ、その次に自分の鼻へと意識をリレーさせた。

「栗山さんですか?」
「そうだ」(クンクン)
「どうされました?」 
「だから(クンクン)、電話で管理業社に(クンクン)話したように(クンクン)…」
「……クンクン、クンクン」
「テッメ、何勘ぐってるんだよ?じゃなにか?あっ?俺が酒飲んでるとしたら、どーだってんだよ?」
「あっ、いやっ、あの、管理業者から電話がありまして、もし飲んでいたら、すぐ警察に連絡するようにと言われまして、それで…」
「で、俺は飲んでんのか飲んでねーのかどっちだ?」
「たぶん飲んでません」
「多分、じゃねーだろ」
「飲んでないと思います」
「思いますじゃ…」

 3人、4人、道端に小さな人だかり。向かいのマンションのベランダから1人。
 なんか、ちっとも悪い事してないのに、完全にアウェー。
 俺、中折れハット目深に被って花粉避けグラスしてマスクして…ちょっとした不審人物。

 5分後、予想どーりポリさん登場。かるーく職質。もちろん答えない。
「あのね、被害者ってゆーか困ってるのが僕で、困らせたのがこの人の関係のある管理業社というか、このコインパーキング。しかも俺、酒飲んでねーし、悪い人じゃねーし、お巡りさんからも早く困ってる小市民を救済するようこの人に頼んで」
「とりあえず免許証見せてくれます」
「なんで? 理由次第では見せん」
「わかりました」
「あー、すみません、この人が困っています。早くストッパーを直してあげてください」

 おっ、珍しいくいいお巡りさんじゃん。
 
「はい、すみません。じゃもう一回だけ600円入れてくれませんか?」
「うぉいっ、なんで待たされてる俺の金を入れなきゃならねーんだよ、迷惑かけたおメーのゼニ入れろ」
「いや、私は管理業社に頼まれているだけですから、お金はお客様が…」
 
 泣きたくなった。そして俺よりも少し年上であろう業社の人にこう言った。
 
「あなたね、ちゃんと仕事しなさいよ。それと口の聞き方、物の言い方、もっと学びなさい。あなたの人格だけでなく、ご両親のしつけも疑いますよ」

 横で、おそらくまだ20代で独身のお巡りがうんうんとうなづいていたのが、せめてもの救いだった。



写真日記『中目黒・桜だより』その1

モエです。
栗山さんほど気の利いたことばは浮かんできませんが、
今年の中目黒の春を、数回に渡ってお知らせします。

目黒川沿いの桜。
すでに花はいくつか開き、人も集まってきています。








五分咲き・・というところでしょうか
新しいいのち
素敵な絵描きさんに出会いました。
下の世界




2008/03/31

写真日記『中目黒・桜だより』その2

2008/03/31

『メタボ』

2008/03/27

『そして後輩』

2008/03/26

『コインパーキングにて』

2008/03/26

写真日記『中目黒・桜だより』その1
このサイトに掲載のイラスト
写真・文章の無断転載を禁じます

Copyright © 2001-2010 MaroonBrand