『インタビューについて』

『cafeglobe』というウェブメディアで「どしゃぶりセンチメンタル」というコーナーを3年以上連載している。これは有名人にインタビュー、いや、対談かな。僕がホストになってゲストとふたりで話をしてそれを文章化するという古典的なコンテンツです。
 テーマは特になし。もちろん女優や歌手の方はPRを目的に出演していただくこともあるのだが、対談内容は毎回ほどんどが世間話である。
 自分でいうのもなんだけど、インタビューの経験はそれなりにある。といってもあまりお堅い人へのインタビューは、学と知性の足りなさが理由なのか、ほとんど依頼されたことがないが、とかく芸能人とか有名人とかスポーツ選手とか、夜の男とか女とか、エンタテインメントの枠にあてはまる人たちには何百人もインタビューした記憶がある。ウソ。記憶はないが、それぐらいの回数はあると思う。
 僕にインタビュアー依頼が来る理由はなにか?ありがたく感じながらも不思議で仕方がない。話すことも深層部分を掘り下げるでもなし、海で云うなら波が持ち上がる表面部分と、そこよりちょっと潜った部分でしか喋っていない。しかも予習もしない。これから会う人がどんな人で、どんな作品でどんな演技をしていて、どんな哲学や生活習慣を持っているのかなど、必要であれば会ってから聞き出せばいいと思っている。
 じゃなければ突発的な驚きがやってこない。緊張感からの解放も、弾けるような感動も何もない。滅多やたらと会えない人と対談できるのだから、特別の緊張感を持って臨みたいと僕は思ってる。そこでいう緊張感とは、何の情報も予習もなく、空っぽの状態でその場面を迎えることでしかないのである。

 ところが最近は面倒くさいプロダクションがあって、あらかじめ何を質問するのかファックスにて書き込んでくださいとか、もっと厄介なことには、コレとコレしか質問しないでください、なんていうところもある。
 だとしたら、一体インタビューってなんなんだろう?僕らは有名人に仕える都合のいいインタビュアーでもライターでもないわけで、“はいコレをこう書いて”というだけの仕事であれば、インタビューなんてする意味もないし、早い話、そっち側で原稿書いてもらった方が間違いないと思ってる。
 そうなると必要なのは写真だけってことになるよね。わざわざスタイリストとヘアメイクつけて、しかも指定で。カメラマンに関しても“うーん、このカメラマンのタッチはちょっと…”って、立派なことを仰る方もいる。どうにかなってませんか、一部の芸能事務所の方々は。

 大体ね、インタビュアーとかライターとかは、その人の素晴らしい魅力を探すことに命を懸けているわけで、その人のちょっとした素敵な部分を発見したら、メディアを通してその部分を伝達したいと思うのがほとんどなのに、最初からアレだめコレだめって、そんなことするから会う前から印象が悪くなってしまうんですよ。しかもそれは有名人が意図するところではなく、マネジメントする人たちが予防線を張りすぎているだけ。ただ、そうされることで有名人まで悪く思われてしまうからお粗末である。
 みんな根に持つからね。しかも飲み屋とかで言いふらすからね。ほんの一瞬に抱いたマイナスな感情は、なかなか消化しきれなくて、もちろん簡単に忘れることもできなくて、そのイヤな思いを放出するには、愚痴とか悪口とか告げ口になって、人に言いふらすしかないんだから。
 そもそもインタビュアーとかライターだって単なる人間だから、その場で面白くないことやらされて、雑誌やウェブで上っ面の良いことを書いたところで納得するわけがない。インタビュアーとかライターとかじゃなくても、人間なんてそんなものだから。
 僕は悪口言わないよ。言う必要ないから。インタビュー楽しいし、いろんな人のいい部分見つけると嬉しいから。本当は中には気に入らないヤツとか気に入らないマネジャーとかもいるけど、なんでも思い通りになるなんて思ってないからそのへんは大人ですよ。
 
 そもそもほとんどの企画で会いたい人にインタビューさせてもらってるわけだから、嫌な気分になったら自分の負けだよ。
 でね、その人の素敵な部分を見つけたいなって思ったら、結果的に世間話になっちゃうってだけ。
 ほんと、それだけ。
 なんか、今日は自分に言い聞かせてるな。珍しく。





これが僕の東京タワー。




『寒い日のロケ』

 朝早くからのグラビア撮影、久しぶりでした。今をときめく人気女優のロケ撮影なんて、幸せな職業ですね。
 思えばもう16年ぐらいこんな恵まれた仕事をさせていただいてます。45のおっさんが、今でもしぶとくやってられるのはひとえに周りのみなさまのお陰です。本当にありがとう。

 最近は本当にどの現場に行っても、ほとんどといっていいほど僕が最年長です。ついこの間までは小僧と思ってましたが、もちろん今でも小僧気分は存分にありますが、それでもみんなが気を遣ってくれて、機材運びなんかを手伝おうとすると、「いいっす、自分でやりますから」と言ってくれる。腰痛持ちの僕にはとてもありがたいことなのだが、半分「年寄りはスッ込んでてくれ」と言われているような気がしてならないのは、ヘソ曲りでしょうか?
 最近の若い者はなっとらんと言われてますが、僕らの仕事というのは、若いもんがいないとなんにもできないことが多すぎて、もちろん技術的にはキャリアを積んだ人のほうが効率よく役に立ってくれますが、とかく力仕事となると若い力を借りないことには仕事が一向にはかどらない。言葉使いや態度にはムカつくことがあるけど、若いもんもそれなりにちゃんとやってくれてます、というか、いつだって若いもんに感謝しています。
 特に僕みたいに、寒い季節になるとポケットからちっとも手を出さずに下らないギャグばかり言って周りを盛り上げたつもりでいるイヤなベテランにとっては、いつだって若者様々です。
 若い人たち、あらためてありがとう。ほんとは「少しぐらい働けよ、ばか」と思ってることぐらい知ってますが、ほんとうに腰と膝が痛いので勘弁してください。
 と文面では書いてますが、少しでもそんな素振りをチラつかせたら容赦なく一発お見舞いするのでこれ読んでる業界の若いもんは十分に注意してください。いいですね、注意一秒ケガ一生ですよ。

 しかしこの季節になると、ロケ撮はかなり厳しいですね。女優さんやモデルが着る洋服はすべて春物です。これから冬に突入しようとするときに、洋服は春物で、表情も春っぽくしなければならないのです。しかも都内の急勾配の坂ばかりを選んでの体力ロケ。そこで春物、春笑顔、プロフェッショナルです。

 日曜日に小栗旬の『情熱大陸』見てたけど、200日間まったく休みなしで働かされて、体も精神もボロボロになりながらも、与えられた仕事はきっちりこなしていくプロの姿に感動しました。最近、僕は小栗旬ブームなので、よし小栗旬に負けないように頑張ろうと思っていて、その一発目が昨日の撮影だったので、気合いを入れて女優さんに「寒さに負けるな!」とゲキを飛ばして寒さを吹き飛ばしてあげました。
 そしたら頑張ってる女優さんに十数人もの小学生達が駆け寄ってきて、「わ〜、○○ちゃんだ〜」と大騒ぎになり、おかげで外はものすごく寒いのに女優さんの体温が急上昇したのです。奇跡的な体温の上昇はともかく、その光景があまりにも美しかったので、カメラマンに頼んで、女優さんが子供達に囲まれたカットを撮ってもらいました。
 もしそのカットが掲載されたら、かなりピースに仕上がってるはずです。僕もすごく楽しみで、早く見たいです。

 ささ、ほんとに寒くなってきましたよ。みなさん、コタツ出しましょね。
 それと年賀状。ちゃんと書きましょうね。
 どうあがいてもしばらく寒いんですから、せめて気持ちだけは温めておきましょう。
 そのためにはコタツです。おしゃれもクソもなく、コタツです。
 それが日本人の冬というものですよ。





クリオちゃんからいただいた お気に入りの帽子。




『ニッポン チャチャチャ』

 バレーボールの話を…
 毎日やってますね、女子バレー。毎日飛んで転んで抱き合って、汗びっしょりで青春満開です。ノーメイクの彼女達のひたむきな姿は美しく、テレビ画面から聞こえてくる黄色い声も加味して、茶の間のおじさんたちは本気で彼女たちに恋しています。
 そういうバカな考えを持った中年たちを正気に戻すために今日の日記を書きたいと思います。

「プリンセス・メグ」「世界が恐れるニッポンの元気印」「ミラクルサオリン」「変幻自在スピード&ビューティ」、確かにどれをとってもチャーミングで勇気が溢れてくるようなネーミングです。かつて中森明菜が「ちょっとエッチなミルキーっ娘」というキャッチフレーズでデビューしましたが、彼女の場合はすでにその頃から不吉な予感をさせていたので、彼女のことを応援すると決めた時には、どこか不良にならなければならないような辛い決断がありました。
 それを思えば女子バレーのみんなは完全無欠のポジティブアイドル。見ているだけで、声援を送るだけで心が浄化されるような、そんな嘘みたいなことが実際に起きるような気がしてなりません。
 それはそれでとても素晴らしいことです。日の丸を背負い青春のすべてを懸けて白球を追う姿は神々しいものです。それをテレビ映像を通じて応援する純粋な自分に酔いしれるのも無理ありません。

 でもね、よく考えてみてください。あの人たち。みんな180センチ以上あるんですよ。貞子みたいにテレビからヌ〜と出てきたら、僕らより10センチ以上高いんですよ。それに、尻っ、ふとももっ、ぶるんぶるんです。足だって27センチぐらいあるんです。彼女たちの間に身を置いたら完全に捕われた宇宙人です。
 プリンセス・メグもミラクルサオリンも185センチあるんです。世界に誇れる元気印は170センチとびっくりサイズではありませんが、ブルマなんて超すごいです(個人的にはかなり応援してます)。今回ベンチを温めているパワフル・カナちゃんは187センチで一番ぶるんぶるんです。コートに落ちた汗をモップで拭こうとする高校生がケッつまずいてこけたら踏みつぶされる勢いです。恋するのはテレビの中だけにしときましょうね。きっと錯覚ですから。

 あとね、「ニッポンッ」と声援を強要する男の声、かなりムカつきます。「メ〜グッ」「シ〜ンッ」「キ〜ィムラサオリィッ」、もう文化祭を盛り上げようとするヘタくそなDJ以下です。「チームジャペ〜ン」って、仮にもワールドカップですよ、声に威厳がありません。レッズサポーターのように血が逆流するような本格的な声援を送ってほしいものです。

 実は東横線に乗ったら女子バレーの中吊り広告がズラーと並んでいて、ミラクルサオリンのポスターがあまりにもキュ−ティクルたっぷりだったので、今日の話を書きました。
 彼女の黒髪、素敵ですよね。トータルバランスもい−感じです。でも近寄ってきたらぜったいびっくりして尻もちつくと思います。

 最後に「世界をぶち抜く 鉄腕エリカ」って、完全に戦隊もんですよね。
 キャッチフレーズ係の人、もう少し考えてあげないとだめですよ。





また、ものもらいです。




『小倉さん』

 日曜日の事務所は平日と比べ別世界だ。人の声がしないだけでこれほどまでに違う雰囲気なのかといつも思う。平日深夜の事務所はもちろん人の声などしない。それでも夜8時9時頃までの余韻を引きずっているからそれほど違和感はないが、日曜日や休日のそれは明らかに異質である。
 寂しい。なんか離れ小島にぽつんと置いて行かれたみたいでやりきれない。
 寂しさを紛らわせようと昼間にはボクシングの世界戦を見て、小沢さんの辞任会見を見て、女子ゴルフを見て、夜にはバレーボールのワールドカップを見たのだが、やはり寂しい。もっともこんなにテレビばかり見て何のために事務所に来ているのかわからなくなってしまっているが、せめてテレビの中から歓声でも聞こえないと寂しくてやりきれないのである。
 そして僕はバレーボールの観客席にいる小倉智昭さんを見てこう思った。
「この人もきっと日曜日に独りでいられないほど寂しいのだろうな」と。

 みのもんたもそうだけど、小倉さんの忙しさたるや半端なもんじゃない。月〜金の朝のワイドショーと土日にもバラエティ番組をやっていて、それぞれの番組の中で紹介される小倉さんの日常は、スポーツ観戦に行ったりゴルフに行ったり、嵐のコンサートに行ったり、誰それのライヴに行ったり、映画を観に行ったり、はたまた自宅のオーディオルームにこもって音楽を聴いたり映画を観たり。さすがに糖尿病だけあってグルメ系の話は出てこないが、それでも体がいくつあっても足りないぐらいの忙しさである。

 小倉さんのもっとも凄いところは、有名人なら「誰だって大好き」なところである。
 もともとスポーツや音楽に思い入れがあることは知っているが、とにかく旬の有名人となると、誰でも私設応援団長を買って出る勢いで、しかも番組を通じてゲストに招いたり生電話で話したりして、世間にはその人との間にものすごく濃い信頼関係があるように見せるからすごいのである。

 もともと小倉さんの応援好きは、御贔屓の西武ライオンズに始まりました。球団発足当時からの熱心なファンで、それには深くうなずけるところがあります。だから今回のメジャーリーグのワールドシリーズでボストンの松坂大輔とコロラドの松井稼頭央が対戦したときに、他局のワイドショーをリードする勢いで肩入れするのはごもっともなのです。
 もうひとつ納得いくのは、ヨン様、チェジウ、Qちゃんですね。これは小倉さんの持ちネタというより出世ネタです。なぜなら、誰よりもどこよりも早く注目し、しぶといほどの応援活動をやってのけたからです。この時点で、なんて小倉さんはトレンドを掴まえるのが早いんだと誰もが思い(思わせ)ましたよね。テリーさんやみのさんのような、毒を売りにした辛口パーソナリティではなく、あくまで応援団。これが小倉さんの地位を不動のものにしたわけです。

 ところが最近の小倉さんは少し変です。ヨン様、チェジウはともかく、ひたすらQちゃんを応援しているのかと思いきや、Qちゃんのライバル達にも大声援を送り、例によってマラソンで優勝したり好成績を収めた選手をスタジオに呼んだり生電話したり、知らないうちにマラソン中継でゲスト解説みたいなこともしていて、すんごいなーと思わされました。
 音楽にも一家言あるようなことを日々ワイドショーを通じて仰ってますが、よくよく聞くと、やっぱ誰でも彼でも大好きなんですね。亀田のことも内藤のことも、小泉純一郎のことも小沢一郎のことも、嵐もコブクロも福山雅治もビリー隊長のこともみんな大好きなんですよ。
 それが主婦にウケる。ミーハーというものにはポリシーが要ると思っていたが、小倉さんの場合は誰でも大好きというまったくブレのないドシンとした思いがあるから、主婦層は「この人には愛がある」と洗脳されるのです。
 これは決して悪口を言っているのではありません。小倉さんこそがミーハーの鑑だと言っているのです。
 もちろん凶悪犯罪や難しい政治経済の話題に及んでも、とりあえずサラっと触れておいてから、さぁ小倉さん突っ込んでくださいよと期待しているところで、“まぁ相変わらず社会は大変なことになってますが、ピーコさんどう思います?”という感じで大切な部分を人に譲るとっても優しくて紳士な部分も持ち合せています。そうすることでコメンテーターのインテリジェンスを惹き立たせるアシスト役も努めることができるのですから恐れ入ります。

 とかく海外の一大イベントが来日すると、世界陸上の織田裕二ばりに「もうね、これ観ておかないと、損したどころの話じゃないですよ」なんて、思わずお財布のヒモを緩めてしまうような口説き文句まで達者で、やがてお天気予報士のアマタツもあんなに口が達者なおじさまになってしまうのだろうかと思うと、わくわくしてきます。それにしてもアマタツ、すきっ歯ですよね。

 ともあれ、お子さんのいない小倉さんが、スタジオにやってくる有名人を我が子のように、愛犬のように心から愛でる姿は朝の番組にはとても相応しい光景です。スタジオから有名人に呼びかけるときはいつだってファーストネームかニックネーム。“Qちゃん、桃子ちゃん、さくらちゃん、藍ちゃん”。これだけでもとってもフレンドリーなのに、さらに“この間の夕食会以来だよね”とか、プライベートまでブレンドして、これじゃ当分朝8時は8チャンネルの独占です。すでに小倉さんが主婦なんだから。
 
 一本筋の入った誰でも大好きなミーハーのカリスマ。
 小倉さんが見られない週末の夜の事務所の寂しさにやりきれなくなっていましたが、小倉さんもまた寂しがって嵐の桜井くんとV6の岡田くんの隣で「ニッポン! チャチャチャッ!」ってやってくれてたので少しだけ安心しました。

 小倉さん、また明日、朝8時に。







     女ともだちのケイコ・リー。
     ニューアルバム「In Essence」 小倉さんも気に入ってくれるかなぁ。





『バリウム イン オータム』

 10月までは夏の続き。Tシャツと太陽を楽しんでもいい季節でしたが、11月になったらいやでもシャツを着て太陽を背中でうけましょう。
 放っておいたら夏が一年の3分の1ぐらい幅をきかせそうな勢いのこの頃です。まずは衣替えをして、服装に合わせた気持ちで自分をその気にせてください。
 少し背中を丸めて、なにか申し訳ないことをして人目をはばかるようにこそこそと歩きませんか?
 もちろん秋気分を盛り上げるための演出ですが、あまりにも堂々とした態度で秋を待っていても一向にやって来てはくれません。だから、いやでも寒がるのです。
 
 11月の始まりはとても寒い一日でした。気候的にはひと昔前の9月20日頃と変わらない夏の続きみたいな日でしたが、僕にとっては秋を深く感じる一日になったのです。
 
 前略。バリウムを飲みました。人間ドックでのひとコマですが、若いつもりでいても肉体的にはかなり秋めいてきて、一年に一度は人間ドックをしなければ安心して酒も飲めないカラダになってしまったのです。
 バリウムと超音波検診、心電図というビッグ3を凌ぐと結構余裕がでてきて、血圧測定とか眼圧、眼底検査、採血とかはもうかなりリラックス、視力、聴力検査になると鼻歌気分です。
 中でも胃部レントゲン検査のために飲むバリウムは、年々味覚が格段と向上しているのですが、それを飲ませるソムリエみたいな若い先生が、すごいぶっきらぼーで、「はい、ゲップは抑えて、一気に飲み干して」と無感情無表情で言うものだから、せっかくフルーティに改良されたバリウムも単なる検査水としか思えないのです。
 よくみれば、レントゲン室の扉には「バリウムはこぼさずゆっくりと飲み干してください」と書いてあるじゃないか。何が「一気に」だ、バカもん!
 まーいーです。今年もバリウム、かなり僕の腸内で意地悪しています。黄門様への旅路に背くのです。「ささ、出口はこちらでございます」「ならん、わしはまだここに居たいのじゃ」「わがままを仰いますな、民の痛みを和らげるのがご隠居ではございませんか」「イヤじゃイヤじゃ、わしゃ、ここがいいのじゃ。ずっと居るのじゃ」「ご隠居っ!」
 僕の黄門様も準備は万端なのですが、一向に来られないので、少々力んでお迎えに参りましたが、いらっしゃるのは腸内から押し出される突風のみで、肝心のご隠居は見当たりません。
 ご隠居をお迎えにあがってから7時間が経過しました。お迎えにあがる手伝いをと、カレーライスを2杯、別々のお店で食べましたが、まだまだ気まぐれなご様子。
 拙者、そろそろ泣きたくなって参りました。早くお見えください。

 ご隠居の気まぐれでまともに歩くこともできず、ポツリとしてきた夕暮れの街を背中を丸めて歩く僕。
 今年初めて着たカーキのライダースが、背中の丸みと歩行速度の遅さでより秋色に染められる。
 
 もう書く気力もなくなってきました。
 ご隠居、そろそろ…





渋谷区西原。おいしいカレーの店。




2007/11/29

『インタビューについて』

2007/11/20

『寒い日のロケ』

2007/11/15

『ニッポン チャチャチャ』

2007/11/06

『小倉さん』

2007/11/02

『バリウム イン オータム』
このサイトに掲載のイラスト
写真・文章の無断転載を禁じます

Copyright © 2001-2010 MaroonBrand