『カタカナ的に』

 生きているうちにやらなければいけないことはいろいろあると思うけど、今、それを実感することがある。その為に2週間毎に郡上八幡に向かい、そこで気づいた問題を持ち帰り世田谷から操作する。
 クリエイターとかプロデューサーとかカタカナで呼ばれることが多い自分がやれることはやはりカタカナ的なことが多いけれど、であれば胸を張ってカタカナ的に向きあおうと決めている。
 新聞報道された以上はもう隠してはいられないが、とはいえやることは着実に一歩ずつ。3歩下がることもあるだろうけど、長い目で見ればそれもまた進歩と捉えたい。視界も気持ちも健やかで、ほんのりではあるが充実感を感じる毎日である。
 
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 この景色の中で ひとつひとつ創っていく



『レトロ』


 レトロな建物を見ると反応してしまう。保存願望があるのだろうか、とにかく昔からレトロという響きに弱い。ブランド物っぽい響きだし…
 すでに俺そのものがレトロ化してAKB世代の人々には昔話を喋っているような気がするし、きっと奴らもそう思ってるだろう。ただ奴らにしてみれば見たこともない幻想的な世界のようで、何を言ってもそれなりに食いついてくれるから話し甲斐がある。レトロな話をしていると鼻歌までが昭和歌謡になって、よりレトロに拍車がかかり臨場感がでるらしい(若者談)。
 若い奴らの話題に混ざろうとするからケムタがられるわけで、こっちはこっちでこっちの話をすれば、それなりに関心を引き寄せられることを覚えた。わからないことは”頼むから教えてくれ”と懇願すると、”しょーがないわね”と上から言ってもらえることもうれしい。
 レトロになればなるほどレトロな人とばっか付き合うとレトロを超えて骨董品になってしまう。そしたらただの置き物だ。俺は時代遅れの扇風機でいいからあっちこっちに首を振って、レトロな風を送り続けていこうと思っとります。
 
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 レトロな美容室 42年前の実家を思い出す



『毎週地方へ』

 6月は忙しい。毎週どっかに出張だ。新幹線とか飛行機とか、高速で移動するものはどれもが疲れる。かといってクルマで500kmも走ると違う種類の疲れが出る。
 さしあたって火曜日からまたまた郡上八幡である。仕事というかなんというか、的確な言葉でまとめようとするのは困難だが、やりがいを持ってその場所に向かえることは幸せである。なんで郡上からクルマで30分ほどのふるさとに寄らないかという点については、まぁいろんな事があるのでそのうちに。ただ、郡上八幡にもふるさとの奴らが集うことは事実だ。そこがふるさとであろうとなかろうと、同じ気持ちを持った奴が集い、そうなればいつだってやることは決まっている。
 今回はカメラマンも編集者もライターも参加して、夜は夜で新しい何かが始まるだろう。
 東京に出て30年。自分にとってこの国は、東京とそれ以外の街の2種類しかない。それ以外の街や町に向かえるのは東京にいるからで、それは海外とて同じこと。ただ東京とふるさとがあることで、心のどこかに逃げ道をつくり、少しだけラクになれることで、また東京を有意義に過ごすことができるのだと思う。
 
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 週末。世田谷公園のフイ−ルドオブドリームス。



『土曜日のカラス』

 尾てい骨打撲による痛みがややおさまってきたのでリハビリで砧公園を歩いていると、用心深いはずのカラスがビニールシートを敷いたファミリーのすぐ近くで、ひな鳥を温めるような格好で佇んでいた。人懐っこいカラスだなと思い、近づいてみると羽根を広げクチバシを開いて威嚇された。
 どうした、ん、ケガでもしたか? 図星だった。原因は定かじゃないがとにかく飛べないらしい。木の枝には仲間と思われる黒い軍団が心配そうに見守っている。ビニールシートの家族と一緒にどうしようかと悩んでいたら、足を引きずりながらフライト体勢に入ったがカラダを持ち上げることができない。心配する俺たちの視線に威嚇を返すことが彼のせめてものプライドだろうか。
 しばらくして野鳥関係に詳しそうなおじさんが登場。”ケガだね。手当てしないと飛べないよ。さてと…”。
 無責任な俺はその場を離れ、ファミリーもビニールシートを畳んだ。あのカラス、どうなっただろう。おじさん、どうしたんだろう。気になるけど、やっぱ無責任だわ、おれ。なんかやりきれない。

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 本編と関係なく、GO SLOW CAFEの納豆マグロ丼



『おとこ酒』

 カラダが悲鳴をあげても胃袋が背を向けても気持ちでそれを上回れ。そんなことを28歳の頃、時の社長の友人に叩き込まれた。つまり「飲め」というか「断るな」ということである。
 幸い今日の俺には、カラダや胃袋がネを上げても飲みたい人たちがいる。どいつも男だ。男にしか分からん飲み方を生まれながらに知っている者たちだ。
 者たちは唱う。マイク代わりのガラスコップを握りしめ、両肩を持ち上げて熱唱する。伴奏も間の手も無く、ただ歌詞に節をつけて唄い続ける。
 若い奴らの睨みに少々危険を感じながらも続く熱唱。中目黒、三宿、三軒茶屋、たまぁに南麻布、もっとたまぁにギ六本。
 気がつけば20も離れた役者に説教する。「飲め! というか、断るな!」 
 時代はめぐる。

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 南朋くん、なんでロンドンみやげなのにボブディラン? 




2011/06/09

『カタカナ的に』

2011/06/07

『レトロ』

2011/06/05

『毎週地方へ』

2011/06/04

『土曜日のカラス』

2011/06/03

『おとこ酒』
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