『苗場のユーミン』

 苗場のユーミンは神々しい。自分が立つ場所と意味を存知ていらっしゃる。人々がどんな思いや想い出を連れてその場所を訪れるのかを理解した上で、苗場ならではのユーミンを演じてみせている。
 21時半を越えてはじまるライブは日付が変わってもまだ止まず、アンコールは4回を数えた。
 最後の最後に卒業写真。いくつもの場所と時間を何度も卒業したはずなのに、それでも皮の表紙を開かれると二キビづらした18歳に戻ってしまう不思議な空間。
 恋人だった人たちが30年の時を越えて家族になりユーミンを聴く。いつまでも恋人同士のオネエたちがときめく想いを交換しながら聴く。中には3世代も…。時間を止めたり戻したり、苗場ナンバーのかぼちゃの馬車は、どこまでもユーミンというファンタジーを疾走するのである。
 エジプトやあっちこっちで大変なことが起きているけど、苗場にいると、そんなことが起きていることなどまったく嘘のような地球にいる気がしてならないのだ。



『校庭に響く声』

 すんごい風で校庭の木々がびゅんびゅん揺れてます。なんか校庭を見ながら仕事というのもいいものです。といいつつマロンの窓から見えるのは正面に体育館、左に更地になった公団住宅跡地をどっかんどっかんやってる光景、右にかろうじて校庭。
 でもいわゆる放課後という時間になると元気な声が響き、ちょっとだけ口角が緩むのです。
 何十年経っても放課後の定番はドッヂボールとサッカーなんだね。近場のメシ屋もいくつか覚えたし、ゆっくりと池尻の住民になるとしよう。
 故郷にも池尻という町がある。長良川にかかる小瀬橋を越えたところにある田畑と山が織りなす素朴な風景。5月になれば鵜飼が行われる画のような町(村かな?)です。
 川を泳いで横断するのが地元の子どもたちの肝試しみたいで、真ん中にある七つ岩まで泳いで、少し休んで対岸を目指す。ところが流れが速いので上手く七つ岩までたどり着けず、下流までビューンと流されて溺死しそうになる小学生が多発。そんな奴らをさらに川にドボンと放り投げていた少年クリヤマ。
 ふるさとの誰もがそんな想い出をもっているのです。

 午後5時16分。夕日に染まる校庭を眺めながら。

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学校内にある「GO SLOW CAFE」。今日はチキンカレー(今週3回目)



『仁丹』

 仁丹の匂いはどこかノスタルジーへと誘う。昔はフリスクとかなかったから、親父や先生はエチケットに仁丹を飲んだのだろう。「飲んだ」という表現がまたレトロだな。昔の人はタバコを飲むと言ったのだ。
 中学でこっそりタバコを吸っていたオレに、親父は言った。「オレが中学時代は戦争中で、いつ死ぬかわからんかったから、経験としてタバコを吸ったけど、おまえんたの時代は平和やでタバコなんか吸ったらあかんぞ」。なんちゅう理由だ。とはいえ親父はオレがハタチになるまでタバコを吸わなかったと信じてくれたありがたい人だった。6年も誤摩化してごめん。
 246の歩道を初老の御仁とすれ違い様に仁丹の匂い。それだけで親父が登場するから不思議なものだ。写真や音楽だけじゃなく、匂いだって記憶を辿る。なんとなくちょっとだけうれしい。



『電車で聞き耳』

 電車のおばちゃんトークは辛辣だ。
「ほら人間って弱い生き物だから」
「でも男ほど弱くはないけどね」
「ほんと強がりなんて、何の役にも立ちゃしないわ」
「出世してから強がんなさいってネ」
 ふむふむ、なるほど、たしかにと耳をそばだてていたら、それまで黙っていたおばちゃんが口を開いたのである。
 「あなたたち、強い男を知らないからよ」

 時に田園都市線三軒茶屋駅停車。それまでの笑顔は消え、急遽おばさまたち4人は下車する。最後に発言したおばちゃんをシメるために降りたのか、そもそも三茶に用事があったのか…
 本来ならば尾行を敢行するところだが、未だ段ボールと激闘するフグを思うとそうはいかず、やむなく断念。大丈夫だろうかおばちゃん。どうでるんだろうか3人のおばさまたち…気になる…


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新事務所1F廊下。ダッシュしたい。



『きっといいことが…』

 荷造りとか引っ越しとか片付けとか届け出とか雪かきとか、今年は面倒くさいことばっかだなと思ったら、ちょとまて。ラスベガスが当たったじゃぁないか。今年のおいらは持ってる男じゃないか。
 すべてはベガスを満喫するための苦しみだ。人生苦しい時は上り坂。この先には楽園がある、って、片付けがめんどうなだけでなにうじうじ言っとるんやろ。でもな、自分に言い聞かせんとな、ほんとめげるもんな、だんぼーる。まっとれよ、ベガス!


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ロスからROUTE66を東へ4時間。
これがセットでもなんでもないからたまげる。




2011/02/19

『苗場のユーミン』

2011/02/18

『校庭に響く声』

2011/02/17

『仁丹』

2011/02/16

『電車で聞き耳』

2011/02/15

『きっといいことが…』
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