『ヤマジさん』

 記者会見というのは学力レベルに応じて異なるものだと思った。ツイッターが発端の今回の中年トライアングルだが、みなさん頭がよすぎてなんだか台詞を読んでいるような気がしてならない。淡々とした言葉の中に”くやしーっ!”とか”あんたに言われる筋合いないわよ”みたいな気持ちがありありなのに、あくまでオトナとして振る舞っているところが逆にウソくさい。
 山路さん、モテるんだね。モテのツボを心得てらっしゃる。弱い男と自由な男を自在に操って「少年ヤマジ」として母性本能の最前線へズシズシと侵入しているところは、さすがジャーナリスト。危ない橋をスレスレの緊張感の中で楽しんでいたんだろうが、地雷は自分の足元にあったんだね。
 
 
 



『年老いたみかんの行く末』

 この冬いろんな方達にいただいた大量のみかんがそろそろお釈迦になりそうなので、気合い入れて一気に何十個もグリグリと搾って100%ジュースにしてみた。ジューサーなどという気の利いたものはなく、横から見ると「山」の字のようなガラスの絞り器(バーテンがフルーツカクテル作る時のせっせとやるやつ)で何十個をグリグリ。ペットボトルにして約2本分の生ジュースが誕生した。
 まぎれもない果汁100%ジュース。果肉もぷりたつでさすがに美味い。残った絞り汁でシンクを洗い、抗菌&芳香。腐れば捨てる以外、使い道のないフルーツだが、腐らなければ使い道はそこそこある。
 人も同じだ。旬を過ぎても歳をとっても腐らないことが大切なのだ。瑞々しさは失せても何かができるはずだし誰かのためにもきっとなれる。100%意気込んでの「そこそこ」よりも、あきらめかけた重い腰を上げての「そこそこ」の方が大きな意味を持つ。
 銭湯の脱衣場で腰に手をあててフルーツ牛乳を飲むように、豪快にグビグビっ。
 うまいぜみかんジュース。明日の朝、また会おう!
 



『今日の日に』

 今日は19で死んだ親友の誕生日。毎年クリスマスと一緒に誕生会をやってもらい、”クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントを一緒にされて損する”と言っていたことを思い出す。
 あれから29年経ったが、ご両親は一年でもっとも賑わうこの日をきっと複雑に思ったことだろう。
 クリスマスを前に、お世話になった85歳のタップダンサーの御仁も、可愛がっていただいた女優のお母さんも旅立たれた。街のディスプレイやイルミネーションを眺め華いだ気持ちになるのもいいが、せめて今日は向こう側に逝ってしまった人たちにレクイエムを捧げたい。
 軽薄になった世の中であればこそ、こういう日は穏やかに過ごしたい。
 



『クリスマスとSONG』

 つねづね「歌」とは何たるかを考えている。
 歌は歌詞とメロディーによって構成される。メロディーはさておき、歌詞は言葉だ。言葉は気持ちだ。気持ちは想いだ。そして想いは経験や想像によって綴られる。
 気持ちを動かす言葉には情景が視える。もちろん頭の中に描かれるだけだが、それをもとに歌詞は物語となり台本となりながら絵を動かしていく。想像こそがロマンであり、無差別的に人を魅きいれていく。琴線を揺さぶられようものなら、すでに人は歌詞の中に居る。
 
 美しい手紙が人の心をうつのは、文章を綴った人の想いが映し出されるからである。文字から気持ちと情景を読み取り、いささか身勝手なストーリーをプラスして、やがて手紙は物語となる。
 そこにメロディーが流れるか否かの問題だけであり、そもそも手紙とは歌であり、人はみな歌人である。
 誰もが想いや願いを綴る歌びとであるならば、この星はもっと美しいものになる。
 聖なる夜に、そんな願いをささげるのも悪くはない。

 



『母のもてなし』

 久しぶりに実家にも帰ったしゆっくり墓参りもできたし里山にも行けたし、今回の帰省はなんかよかった。
 実家に帰るとなるとお袋が”あんた何食べたいんや?”と必ず聞いてくる。その手段が電話からメールになったことが時代なのだろう。
 78歳の母親は慣れないメールをどんな気持ちで打っているのだろう。戦争を知る者にとって、まさか生きているうちに、電話やら手紙やら新聞やらテレビやらに加え、買い物まで出来てしまう魔法のような箱にお目にかかるとは夢にも思っていなかっただろう。
 さてお袋であるが、いつも何食べる?とは聞くものの、定番の茶碗蒸しとすき焼きで次男の里帰りを迎えてくれた。相変わらずの美味というよりも、完全に舌と脳がジョイントされた味覚である。帰ってくると茶碗蒸しを3人前。兄貴と合わせて6人前。茶碗が足りなくなり、お袋と兄貴の嫁さんはその場しのぎの茶碗で食べる。兄52歳弟48歳、計100歳の茶碗蒸しは、25年以上前からふたりで6つというところが栗山家の特徴である。
 夕食を終えこたつでゴロンとする。もう食えないし、酒もたらふく飲んだ。そこでお袋が登場する。
 紙袋からゴソゴソ、おにぎりせんべいが登場する。これももうド定番。その昔、菓子ばかり食ってご飯を食べないオレに”あんた、そんなにおにぎりせんべいが好きやったら、おにぎりせんべいにお茶か
けて食べんさい!”と怒鳴った母親の言葉をヨシとして、本当におにぎりせんべい茶漬けを食べているオレを発見したら、口をポカンと開けたまま棒立ちになっていた。
 記憶は裏切れなのだろうか、母親は東京に向かうオレにそっとおにぎりせんべいを一袋渡してくれた。
 実家を経由し薪ストーブの里山から一変ディナーショーの現場へ。スペイン料理を食べて腹をさすっているオレに、ディナーショーに来ていたデンちゃんの姉ちゃん夫妻が、”寿司食いに行こう!”。
 深夜3時までディナーショウの興奮を語る姉ちゃん、隣でいい人を絵に描いたようなご主人。オレの腹は限界点まで膨張し、妊婦の苦しみを味わった夜となった。




2010/12/27

『ヤマジさん』

2010/12/26

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2010/12/23

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