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帰国時のエアーは某国の航空会社に搭乗したが、そのサービスの悪さに憤慨した。何度も言っておくが俺は人よりも8倍は飛行機が怖い。乗った瞬間に死ぬ覚悟でいる。胃がきりきりと痛み、腸はたぽんたぽんと揺れ、心臓は音量を上げて泣いている。そんな状態で乗っているのだからせめてスッチーには優しくしてもらいたいのだが、某航空会社のスッチーといいスチ男といい、まるで親切心のかけらもない。
手っ取り早くメシを出して休憩でもしたいのだろう、ビーフ or チキン?そんな簡単な英語さえ早口でまくしたて、聞き返すと溜め息なんかつきやがる。コーヒーを要求すると、トレイの上に乗せろと指でトントンとやって呆れ顔をする。ペプシを要求すれば、タダだと思いやがって的な顔丸出しでおもむろにプシューっと缶をあけ、吹き出した泡が俺の右足元付近に落下しても、「ワオっ、ゲンキですねー!」ときたもんだ。日本語喋れるじゃねーか。
数時間後、後部座席で同行した編集者Mが蕎麦のお替わりを要求したら、「ナイ」と力強く答えていた。ウソつけ、ワゴンの中にびっしり積まれてあるじゃねーか。なんてケチでいい加減で野蛮なんだこいつら。
帰りも思いっきり揺れてくれてありがとう。お陰さまでグッタリです。
さてと、そろそろ外に出るか。コイツらでもとりあえず機内で見送りしてくれるんだなと思っていたら、プレイメイトが檄太りしたようなパツキンのスッチーが、非常用扉に持たれてガムをくっちゃくっちゃやりながら偉そうに腕組みをして、しかも脚までクロスしてやがった。メジャーリーグでお払い箱になった選手が大物助っ人として日本にやってきてテキトーにプレイしてるような、そんなオーラも未来もないいい加減なパツキンの態度を見ていたら、なんだか笑えてきた。
彼女とすれ違う時に目が合った。涼しい顔して温度のない声で「どもありがと」と言われたので、精一杯の英語で「デザートに君の噛んでるガムが欲しかった」と言ってあげたら、一瞬ガムを噛む口がピタリと止まった。
日本野球を舐めきったメジャーリーグでキャッチャー前にぼてぼてのバントヒットを決めたような気分になった。
おかげで素敵な思い出がもうひとつ増えた。ありがとうスッチー&スチ男くん。
あたらしいともだち。ようこそ日本へ。
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