『今日は郡上八幡』

 今日は白鳥からクルマで20分、16km下った郡上八幡で仕事。このまま40km下ればふるさと関市だが、立ち寄る時間がない。墓参りに行けなくて申し訳ない。
 それにしても岐阜県の仕事はいいものだ。何より方言で喋れるのがいい。東京で何十年もいると”方言なんか忘れちゃったよ”という人が多いが、そんなわけねーだろと言いたい。
 故郷があるから東京がいいんだ。東京で暮らしてるから故郷がいーんだ。
 方言忘れるようじゃ故郷大切にしてないと同じ、だと思う、って言い過ぎかもしれんが、オレはそう思う。だから方言で喋る。東京でも。



『白鳥にて』

 岐阜県の白鳥(しろとり)ということろに来ています。キレイな名前です。都心よりも5度ぐらい冷えます。朝夕はもう冬です。どうやら今夜はここで会ったことのない人たちといろんな話をする計画があるらしいです。
 この土地には高校時代の友人のノザキくんの実家があり、大学一年のお盆に、盆踊りのため来たのですが、それ以来です。
 そういえばジョンレノンが死んだ日はノザキくんの下宿で麻雀をやっていた。ジャラジャラと卓を騒がせていたらラジオから淡々とした声で”本日、米国のニューヨークで元ビートルズのジョンレノン氏が何者かにより射殺されました”と流れてきた。今どきのパーソナリティーような軽薄な語り口ではなく、ちゃんとニュースとして読み上げていたのが余計に残酷だった。一瞬みんなの手が止まったけど、またジャラジャラとやりだしたのを憶えている。確か『イマジン』くちずさみながら。
 あれから30年。もうジョンの歳を遥かにこえた。ノザキくんは一橋大学をでて第一勧業銀行に入ったと聞いた。あったまいー子だった。
 彼とも30年近く会っていない。昔と今をつなぐのは本当に難しい。何十年ぶりに会ったとしても、昔と今を重ね合わせるのは困難である。昔は昔、今は今。でもそれでいいと思う。



『流行歌』

 恵比寿のROBOTまで雨の中歩いた。しとしとと降っていたので、つい”しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん”と口ずさんだら、すれ違ったおっさんの耳に届いたらしく、”なつかしいーねー”と呟きながら去って行った。
 雨が降ればついつい「子連れ狼」の主題歌の”しとしとぴっちゃん”か、三善英史の”雨にぃ〜濡れながぁあらー”と歌ってしまい、神戸に行くと”こおーべー”とつぶやいてしまう。歌というのは記憶の中でもものすごい存在感を持っているんだなぁとしみじみ。それを昔、流行歌と呼んだ。
 最近の若い子たちもどっかへ旅行したら、その土地にちなんだ歌を口ずさむのだろうか?
 
 今日の東京はすげーさみかったけど、条件反射のように歌ってしまう過去ソングにより、微妙ではあるが温まった気がする。
 一体オレの記憶の中にはどれだけの曲が週収められているのだろうか。数えてみたいわ。
 



『中野の野良猫』

 10年ぶりぐらいに中野ブロードウェイに行った。モール入り口の看板を見て、あらためて大胆なネーミングをするもんだと関心した。
 路地裏で野良猫が心ある誰かにエサを与えられたいた。おそらく野良用と思われるエサ入れにごっそり入ったキャットフードをブチがむさぼり、その横で三毛が行儀よく順番待ちをしていた。お腹いっぱいになったブチはエサに背を向け、大きく開脚して股間を毛づくろい。順番が回ってきた三毛は絵に描いたようにムシャムシャと食いはじめた。
 頭を撫でてもしっぽをグリグリしても逃げない噛まない引っかかないの3ナイ運動。やつらにとってその場所にしゃがむ人間は、誰もが都合のいいヤツに映るのだろう。
 三毛が食い終わるとブチが”いくぞ”とばかりに家と家の隙間に侵入、後を追うように三毛がちょこちょこついて行く。こちらも絵に描いたような”へい、オヤビン”。
 偉そうなブチだったがちゃんと三毛が食い終わるまで待つなんてなんとも微笑ましい図であった。
 あいつら親分子分か、それともカップルか。どうでもいいが気になるペアだった。

 



『中学校で仕事。そんでもって思うこと』

 朝からものづくり学校のスタジオでカタログ撮影。ものづくり学校にはクリエイティブな仕事と呼ばれることをしている会社が43社入っています。これが7年前までは池尻中学校だったというのだから面白いものです。
 少子化に伴い小中学校がスカスカになってしまい、ガッコーはあるけど生徒がいないという哀しい現象になり、ならば!ということで、廃校再生利用でものづくり学校。理にかなってます。
 40にも50にもなって中学校で仕事をして、やれ保健室だの理科室だの、とうに忘れかけていた場所を横目に「で、オレ、今、どうなんだろ?」と確認する。あまり成長してないことに気づいたりして軽く落ちこむ。いくら稼いだりステイタスとやらを獲得したとしても、純粋で無垢なあの頃の気持ちをとっくにどっかへやっちゃった気がして。
 究極、どっちか大切なんだろ?とキツい質問を自分にぶつけては、隣接する小学校で無邪気な声をあげてドッヂボールをするこどもたちに遠い自分を重ねる。
 偏差値など関係なくなり、血糖値と尿酸値だけが上昇する今日。偉くなくとも正しくいきたいとおもう、秋の夕暮れでした。




2010/11/19

『今日は郡上八幡』

2010/11/18

『白鳥にて』

2010/11/17

『流行歌』

2010/11/16

『中野の野良猫』

2010/11/15

『中学校で仕事。そんでもって思うこと』
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