『タツローの歌』

 一昨日、偶然にも山下達郎のライブに行った人の話を3人から聞いた。どれもが女子。20代ひとりと30代前半ふたりで、達郎世代とはほど遠いところにいる人たちであるが、3人がまったく同じ言い回しでライブの感動を表現した。
 「とろけた」。なんちゅースケベな響き。花盛りの女性に、しかも3人に「とろけた」と言わせたのである。
 とろける場所は限られている。心かカラダのいずれかである。どちらにしても凄い、絶倫だ。NHKホールで指先を使ったとは思えないから、歌だけで攻めて、そしてとろけさせた。
 歌だけで…タツロー、凄い。あのビジュアルで動くだけで凄いと思っていたが、歌ったらやっぱとんでもなく凄い人なんだ。タツローの歌、疼(うず)くんだろうな。ビリビリとカラダを這い上がってくるんだろうな。いい気持ちにさせるんだろうな。やっぱ歌って魔法だ。タツローは魔法使いだ。ビジュアルも。



『明日は世田谷ものづくり学校6周年記念祝典』

 明日は世田谷ものづくり学校の6周年記念祝典。メインダイニング(というかエントランスに屋台建てんだけど)は『マハカラ』。学校内にある「ゆっくりとカフェ」とともに1000名のゲストを楽しませてくれる。
 旧池尻中学校でいか玉焼きと串揚げとプリン。実に文化祭的で楽しそうだ。学校とは字のごとく学ぶ場所であるが、大人になったからには学校で何を学ぶかが大切だ。教科書を見るより人と語れ。語り下手だったら聞き上手になれ。今まで自分にはまったく関係なかった情報が好奇心となり、やがてそれが未来の自分へのトリガーとなる。
 知っていることを余裕で語るよりも、知らないことに緊張しながら耳を傾けることの方が大切である。人の言葉には小説も哲学もドキュメントもエンターテイメントもある。人と話す、人に話す、人の話を聞く。それが大事。いちばん勉強。



『筆ペン』

 最近、よく筆ペンを使っている。もともと字を書くのが好きで、小学校の頃から授業中にみんなが絵を描いているのにオレだけ字を書いていた。もっとも絵にチャレンジしていたことはあったが、どこから見ても自分の絵を愛しく思えず、10歳の段階で絵は見切った。大人になったらこんな職業に就くとは思ってなかった、というよりこんな職業なんてあるとは思わなかったけど、とにかくオレらの仕事はまず喋ってから絵を描くことが多いので、同じ落書きでも字ではなく絵を描いていれば良かったなと残念に思ってみたりもする。
 秋になってからも何人かに筆で手紙を書いた。お祝いものとお礼状。いつもはメールで返信という人も、手紙を出した途端に電話がかかって来た。びっくりしたというのだ。それぐらい手紙は珍しいものになってしまったという事だろうか。もちろん自分のキャラを考えた時に、とても毛筆で礼状など…と思われたに違いない。その落差を含めて、手紙というものは人の心に届く物だと信じている。
 鉛筆と消しゴムと定規と大学ノートと、筆ペン。いつも鞄に忍ばせてある大切な物たち。逆に自宅には今だパソコン回線が通っていない。これを不備だと指摘する人もいるだろうが、今のところ困ってもいないので、しばらくはこの状態をキープしたいと思っている。
 話は変わるが、寒くなったのでアイスコーヒーからホットコーヒーに切り替えた。アイスはのどごしを楽しんだり乾きを癒したり避暑対応的な要素も強かったけど、ホットコーヒーは香りと時間を楽しめるもんだとしみじみ感じた。コーヒーを飲めるようになって20年。銘柄にこだわるほど通じゃないが、秋口の一杯はなかなかである。
 パソコンを閉じてブラックコーヒーと筆ペン。悦に入ってしまうのである。








『おやじの話』

 昨日は“サミット”と称する定期的な飲み会で、ホスト役はスタイリストの大久保さんだった。ゲストに木梨憲武さんが来てくれて深夜まで大変盛り上がった。
 ノリさんがお父さんの話を誇らし気に語っていた。いい歳こいたおっさんが親父の話をするときは決まっていい顔になるものだ。とりわけノリさんの笑顔はいいものだった。
 おやじかぁ、会ってないなぁ、そりゃそうか、28年前に死んだもんなぁ。生きてたら10月1日で83歳かぁ。どんな年寄りになってたんだろうなぁ。やっぱ頑固なのかなぁ。今のオレを見たら、やっぱ“喝ぁ~つっ!”かなぁ。
 19んとき、親父が上京して麹町のビジネスホテルで兄貴と一緒に待ち合わせたとき、なんか恥ずかしかったなぁ。オレが上京して初めて東京で会うという日だったもんな。互いによそよそしくて、つい2ヶ月前まで一緒に暮らしてたのに、ちょっと離れただけで…男同士ってなんでこう不器用な感じになるんだろね。
 そんでホテルの一階にある焼き肉屋でデビューしたての原辰徳の話をしていた時だった。兄貴が「原はええ眼をしとる!」と太鼓判を押すように言うと、親父が「おー、2.0やでな」と真顔で言った。兄貴と顔を見合わせながら、笑いを必死にこらえていると、空気が冷えてしまったことに気づいたのか、「いやな、原は視力もえーんやぞ!」と掘った墓穴を急に埋めようとした。
 息子たちの話に無理矢理入ろうとするあたり、やっぱオレらのこと可愛かったんかな。
 ノリさんのお父さんが営まれる『木梨サイクル』は来年で創業50年を迎えられるそうだ。ノリさんはきっとお父さんの自慢の息子さんで、お父さんもノリさんの自慢の親父なんだろうね。
 うらやましいなぁ。いいなー、ノリさん。




ノリさんにいただきました。




『イチローに学ぶ』

 イチローは毎日同じことを繰り返しながら自己管理をするのだそうだ。毎朝同じ時間に起きて弓子夫人の作るカレーを食べて、いつも同じ時間に球場入りして同じ準備運動をして試合に臨み、同じ膝屈伸と伸脚運動をして、マスコットバットを回してから打席に立つ。打席ではご存知のように右手でバットをピッチャーマウンド方向に掲げユニフォームの右肩を左手でつまみ、投手との間合いと自分の集中力を高める。就寝時間も毎日同じだそうだ。
 どれもこれも毎日同じ。いわば儀式のようなものだが、この儀式こそがコンディショニングの源だという。
 なるほど、毎日同じことをしていれば微妙な変化にも気づくはずである。今日はカレーの消化が悪いとか、屈伸をするときに足首がやたら硬いとか、腿の裏側に張りがあるとか云々。どれもこれも同じ儀式を繰り返すことにより些細な発見が可能となる。そんな些細な気づきがあればこそ、今日は足首をもっとほぐそうとか整腸作用を促す食物を摂ろうとか、微妙に狂いかけているバランスを修復することができるのだ。
 つまりイチローは誰よりも自分を管理しているのだ。もちろんあらゆる手段を試して今日に至ったのだろうが、日々の生活にさまざまな儀式を組み入れながら、生活のブレを最小限に抑える努力には頭が下がる。
 さて、俺にはどんな儀式があるのだろう? 寝るのは夜中の2時過ぎ、これは徹底している。毎日酒を飲む。これも儀式だ。昼間は体力を温存して飲みに行くと全力を発揮する。これもほぼ守っている。カレーは毎朝とは言わないが、週に3日計5食は食べる。これはかなりイチローに近い。兄貴の名前が一郎で、最近仲いい先輩が一朗である。
 比較するのがバカらしくなってきたからやめる。




これも40年以上続けてきた儀式。
新商品「オタフクソース味」登場につき
名古屋のトシからダンボールで送られてきた。





2010/10/01

『タツローの歌』

2010/09/30

『明日は世田谷ものづくり学校6周年記念祝典』

2010/09/29

『筆ペン』

2010/09/28

『おやじの話』

2010/09/27

『イチローに学ぶ』
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