『誕生日とプリン』

 今日は48歳の誕生日である。あと2年で半世紀生きたことになる。すごいことだ。昔は人生50年といっていたのだから、なかなかすごい時間を生きていることになる。先日、日本人の平均寿命が発表されたが男性は79.59歳だというから、まだ30年以上も生きなければならないことになる。ちなみに、日本人女性は86.44歳で世界一の長寿。86年間も呼吸しつづけるなんてとんでもないことである。
 さて。といってはなんだが、昨日、「まはから」の新作プリンの試食会が行われた。目の前に8個のプリン、それぞれ微妙にブレンドが違う。さらに8個、もっと細分化された味覚が並んだ。
 ひとつひとつやっつけていく。胸焼けするといけないので食べずに味だけを見る。味見をする5人は誰もが真剣だ。30分間、じーっと小さじで新作プリンと格闘。5人の意見もまとまり、新たな課題を見つけ、新作プリンの完成は来週へと持ち越された。
 それにしてもプリン、奥深いのである。ほんのちょっとしたさじ加減で味覚はいたずらに変わってゆく。過去に蒸しプリン、白プリン、抹茶プリン、チョコレートプリン(バレンタイン期間のみ)と4種類のプリンを誕生させたが、今回はいままで以上に難題である。なぜならば、今回の新作は『はちみつレモンプリン』。過去の4作品は生地そのものに大胆な違いをつけられたが、今回はベースにスタンダードな蒸しプリンを採用しながら、味覚に微妙な変化をつけなければならないからだ。しかも微妙でありつつも、ハチミツの濃厚な甘味とレモンのさっぱり感を明確に表現しなければならないときたもんだ。
 そんな偏差値の高い試験をしていたら、ついついほぼ完食してしまい、試食後は絵に描いたような胸焼けに襲われたわけだ。
 
 『うれしいはちみつレモンプリン』は8月2日に完成し、8月3日(火)にはご存知、目黒川沿いの「まはから」前で新作記念キャンペーンとして250個を通りすがりの皆様に試食していただくことを、ここに宣言する!
 前回、前々回、前々々回、前々々々回と、ほぼ1時間での争奪戦だったから今回もおそらくそれぐらいの時間でゲームセットとなるだろう。どうそ、お近くの人やわざわざ中目黒までやってくる人は、午後1時、13時あたりに「まはから」の前でいかにもプリン食べたそうな顔して通りすがりを装ってください。感度の高い察知能力を持つスタッフが、かならずあなたを見つけてプリンを進呈いたします。

 さて、プリン試食会後、みんなで「もうしばらくプリンはいらねー」と輪唱していたところに、プリンちゃんことプリンメーカーのゆきちゃんが、嬉しそうな顔して何か箱詰めの物を俺に手渡した。触感的にズシりと重い。なんじゃろと箱を開けてみると、どんぶりいっぱい、表面張力でこぼれ落ちそうなバースデー特大プリンが俺のファインダーに飛び込んで来た。


 今こそ言うが、今俺がもっとも食べたくないものはプリンだっ!








『いつもその場所にいるその人』

 今日も砧公園の話だが、砧公園にはいつも決まっておんなじ場所に寝そべっている人がいる。猛暑の夏ばかりでなく、杉花粉の季節も霜柱が立つ冬も、初夏や秋口にもおんなじ場所で確実に寝そべっている。大きな樹の根っこ近くにリュックを置いて、新聞とペットボトルを手の届く場所に置いて、そして寝そべっている。
 スニーカーは流行のブランド物だし着ている物も汚いわけではないので、ブルーシート系の人ではなかろうと推察するのだが、目深に被った帽子で顔も見えないし声も聞いたことがないので情報は少ない。けれどオレがウォーキングに行くたび確実にその場所に寝そべっているので、ひょっとしたら住んでいるのではないかと思うのだ。
 オレが砧公園をウォーキングするのは平日なら午前7時半から9時の間、土日ならば9時から12時の間だが、その時間帯であれば何曜日の何時であろうが確実に、いや、絶対その人は寝そべっている。ということは少なくとも寝そべる準備時間を入れると7時にはそのポジションを確保しに来ているわけである。もし遠い場所から、しかも電車でやって来るとしたら起床時間が6時とか5時半とかになるはずだが、そんなことはないと勝手に決めているオレにしてみたら、やっぱり公園内のどこかに住んでいるか、あるいは無類の公園好きで近所のアパートかなんかに住んでいるに違いないと思うのだ。
 4月の初め、まだ肌寒い頃の夜の7時半頃に暗闇の公園をウォーキングしたが、その時もやっぱりその人は寝そべっていたし、夏至近くのもっとも日が長い日曜日の夜8時過ぎにウォーキングしても、やっぱりその人は寝そべっていた。何度も「その人」と言うのは、性別が定かではないからで、けれどスニーカーの配色やリュックの色やスポーツ新聞を愛読していることからおそらく男性と思われるのだが、いかんせん顔も声も謎なので現段階では「その人」でとどめておく。
 ところが事件は起きた。あまりの暑さで夜中に飛び起き、そのまま眠れなくなったので朝の4時半に公園までウォーキングに出掛けたのだが、その人は見当たらなかったのだ。つまりその人は、少なくともその場所には住んでいないことが判明したのだ。4時半から約1時間、なんだかんだで6時近くまでウォーキングコースをブラついたが、やはりその人は現れなかった。こうなるとオレは何のためにウォーキングに行くのかわからなくなってしまったが、その人がその時間に寝そべっていなかっただけで、なんだか特別な情報を手にした気になったのだ。


 というわけで、今日もなんにも役にたたない観察模様を書きました。



『日焼けをする目出たい人たち』

 砧公園を散歩していると、死人が出る猛暑だというのにパンツ一丁で日光浴している人々がいる。東京の暑さも、ここ5~6年ほどで過激になり特に今年はご存知のような状況であるにもかかわらず、芝に寝そべってサングラスもかけずに真上を向いてバンザイしているお目出たい人々。
 そもそもそこまでして日焼けする気がしれない。確かにこんがり焼けた小麦色の肌は健康的で若干シャープに見せる効果があるが、焦げてる人を見るとあんぐりする。
 スポーツクラブでも日焼けマシンに入ってからエクササイズをする人がいるが、そのほとんどがショートスパッツを穿いてギョクをもっこりさせて、髪の毛は短めでウェーブをかけてサイドとバックは刈り上げというタイプである。胸元にはゴールドのやや太めのキヘイのネックレスが輝いているのも特徴的なポイントである。どういうわけか芝に寝転んで焦げる人にもこのような髪型が多い。刈り上げとゴールドと日焼け。部屋とワイシャツと私みたいな関係になっているが、さらに付け加えるならば上半身は丸みを帯びたマッチョ体型というのがほとんどで、下半身は案外細く、『上半身だけマッチョに見えれば下半身なんか別にどうでもいい』というツメの甘いタイプが多い。というより、下半身は鍛えず細いままで、鍛え上げた上半身との落差を見せてウットリするタイプではないかと思われる。それを証拠に、そういう人々のファッションは黒のタンクトップにピッチピチのジーンズ、3分で水虫全開になりそうなエンジニアブーツかヘタれきったワークブーツ。脇にはブランド物のセカンドポーチがキラリ。グラサンは型落ちのレイバンかポルシェデザインという見事なアンバランスさ。
 経済的にも余裕がある感じで、いくら鍛えても腹は割れずホタテマンみたいな体型が主流である。


 さて、こんな観察や分析をしてなんになるのだろうか。



『郡上八幡のこと』

 今年も郡上八幡の吉田川に灯りを点してきた。八幡は日暮れが遅くて7時半にならないと美しく灯りが映し出されないので、それまでは盆踊りでイカ焼きとプリンの屋台を手伝った。
 実家から近いこともあって、同級生や後輩がなんやかやで30人ぐらい遊びに来てくれて嬉しかった。
 3泊4日、毎晩飲み過ぎた。初日の前夜祭は20人で、2日目は「灯りの川」の打ち上げで30人、最終日は盆踊りを含めた総合打ち上げで50人。豪雨が過ぎて次第に水かさが減っていった川と逆行して、腹の中はちゃぽんちゃぽんに増水して、毎朝個室で大洪水が起きたわけです。
 郡上八幡の伝統ともいえる肝試し『新橋から川への飛び込み』。橋の欄干までの高さ12メートル、そこに立って目線は13メートル50センチ。やめときゃいーものをマハカラのビルゲとダイスケが無謀にもダイブを決めた。ふたりを音楽に喩えるならば、ビルゲはパンクでダイスケはロック。パンクなビルゲは空中でヒャッホーと雄叫びをあげながらノー天気なダイブを決め、ロックなダイスケは両拳を固め両手を天に突き上げたフォルテシモダイブ。どちらも見事なチャレンジャーっぷりだったが、その横で橋の欄干から1メートル離れて、腰を引きおそるおそる川面を眺めていたユージは音楽で喩えるならばダメ詩吟である。
 今年も郡上八幡のたくさんの人と酒を飲んだ。顔は見たことあるけど話したことなかった人たちと酒を飲んだ。酒をともにするだけで一気に距離は縮まり、それからは当たり前のようになんでもない話ができるようになった。
 沢山の後輩といろんな話ができたし、数は少ないけれど先輩たちにも可愛がってもらった。女っ気がないところがまた気持ちいいのである。
 ビルゲとユージとダイスケが、郡上に着いた途端に『涙がでるぐらいキレイな町ですね』と言ってくれたのが印象的だった。俺の田舎の関も負けるなよ。かといって、無理して何か作るなよ。あるものそのままを美しいと言ってもらえるような町になって欲しいと願うばかりである。もちろん人間も。
 余談ではあるが(余談しか書いてないが)ダイスケは郡上にもいるので、郡上のダイスケを『グジョダイ』、マハカラのダイスケを『マハダイ』と呼んだら、マハダイという名がEXILEっぽいということでマハカラのダイスケは大いに気に入り、今後しばらく『マハダイ』を名乗ることになった。一方のグジョダイはどうにもネーミングが気に入らないらしく、「じゃ、君ん家は飴屋さんなので“アメダイ”は?」と尋ねたら、「フツーにダイスケのままにしておいてくれ」と軽く切れられた。
 ちなみにダイスケん家の愛犬プードルの名前は「シナモン」。二足歩行で300メートル散歩する珍しいワンチャンで、全国からテレビの取材が殺到する売れっ子である。
 名前の「シナモン」はダイスケん家が肉桂玉(ニッキ飴)の老舗だからではないだろうかと推察する。
 だったらやっぱ『アメダイ』でいーじゃん。



『快適な写真』

 井上真央ちゃんの公式HPの写真が素晴らしい。おそらくLAで撮影されたものと思われるが、恐ろしいほどにカワユイのだ。ペラペラペラと3枚仕立てになってて、「ようこそ ここへ クッククック」と魅きこまれていくようだ。
 女優さんやアイドルのみなさんのHPは、なんか行き過ぎた感じのものや仕掛けが多すぎて困惑してしまうものが多いが、真央ちゃんのHPのようなチャーミングでハツラツな扉には心を持っていかれる。
 連日の猛暑だ。そこにワンクリック。なんだ暑いのいーじゃん、汗かいてベそかいてGOじゃんと、心踊るのである。クーラーにあたるだけが避暑ではないぞ。こういう素敵な写真を眺めれば、太陽に照らされていても、なんかこう、スーって涼しい気分になって、つまりは快適な気分になれるのだ。団扇パタパタやりながら、クリック。いとすずし。机の上のちょっとした納涼でございます。




2010/07/28

『誕生日とプリン』

2010/07/27

『いつもその場所にいるその人』

2010/07/26

『日焼けをする目出たい人たち』

2010/07/23

『郡上八幡のこと』

2010/07/22

『快適な写真』
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