『大腸フィーバー』

 昨日は素晴らしい日だった。こんなにスッキリした日はかつてなかった。信じられないぐらいの大腸フィーバーだった。
 コウンが合計250センチぐらい出たのだ。オープニングこそ500円玉大の直径で難産だったものの、ひとたび産声を上げたら滝のように出るわ出るわ。しかもペースト状ではなく緩やかなカーブをした顔色のいい奴ばかりが次から次へとTOTOへとこぼれ落ちていくのである。
 40センチ、30センチ、30センチ。ひとまず休んだらまた大腸フィーバーが始まって30センチ、30センチ、20センチ、20センチ。もう気が済んだろう、お疲れさんと、誰に言う訳でもなくけれど確実に感謝と労いの気持ちを口にしたら、またまたフィーバーが始まって、30センチ、20センチ。3回に分けて分娩したから良かったものの、一度に産み落としたら完璧にTOTOに拒否される容量である。
 その後のお腹の状況といったら、今までに経験したことのない空っぽ感が充満し、腹の中が空洞のような気がしてならなかったのである。
 逆に分娩する前の状態を考えたら、どんだけ入ってたんだと恐ろしくなってしまった。
 排泄という名のエクスタシー。世の中の快楽はすべて排泄に通じる。食っても飲んでもチョメチョメしても、すべては排泄。キレイなコウンを出すために、栄養バランス良く食事をするなんて、食うのが主役なのか出すのが主役なのかわかんないもんね。『食って出す』『出して食う』。なんか世の中、簡単に思えてきた。
(ちなみにコウンのサイズはあくまで肉眼測定であり大体なカンジです)



『村田さん』

 若い時に随分世話になった人がいる。村田さんだ。村田さんは昭和6年6月6日生まれの79歳。毎年誕生日には電話を入れさせてもらうが、今年は何度電話しても誰も出られなかった。
 いやな予感とは言わないが、なんとなくイヤである。しぶとく電話したところようやくさっき電話が繋がった。どうしたのかと聞いたら、どうもしていないと言われた。どうやら電話をかけたタイミングが悪かっただけらしく、近所に散歩に出られたり喫茶店に行ったり、そんなことだったらしい。
 歳が歳だけに心配したよと告げたら、元気はないけどちっとも迎えが来ないと笑っていた。村田さんがそう言うときは元気な証拠だ。
 村田さんにはほんとによく飲みに連れてってもらった。柳ケ瀬という岐阜随一の飲屋街に月曜から金曜まで通いつめ、ずーっと岐阜市内で泊まって土曜になってようやく実家に帰るなんてこともあった。つい先日も、村田さんと一緒に飲みに行ってたスナックの女の子からメールが来て、やはり村田さんのことが書かれていた。その女の子も今では43歳、二児の母で上の子は高校生だと言う。
 時々岐阜に帰っては馴染みの店に顔をだすと、やはり村田さんの話題になる。25年ぶりに行った店には、25年前から通っている常連さんがいて、みんな面影を残しながらもいい感じでおっさんになっていた。
 「そういえば、あの豪快なおじさん元気ですか?」
 豪快に飲んでちっとも家に帰らなかった村田さんも、今では家でのんびりされている。時は流れたのである。今はおばあちゃんになった奥様と、毎日ぼんやりと、けれど穏やかで豊かな時間を過ごされているらしい。
 夏になると懐かしい人のことを思い出す。日本の夏は暑さとともにいろんな感慨を連れてくる。
 来年の6月6日は村田さんも80歳。日本で一番暑い岐阜県多治見市での夏を、元気で過ごしていただきたい。



『年寄り達のワールドカップ』

 早朝の砧公園を散歩すると、すでに常連のお年寄りたちが水筒とスポーツ新聞を片手に井戸端会議を繰り広げていた。
 「右サイドから切り返してクロスを上げた松井はすごいな」
 「ディフェンダーの裏に入り込んで松井のクロスを呼び込んだ本田の方がすごい」
 「雑音を遮断して冷静にスタメンと戦術を考えた岡ちゃんも立派だ」
 「イングランド戦を見て正GKに川島を抜擢したことも評価できる」
 
 朝7時、なかなか通っぽく熱のこもったサッカー談義である。
 このお年寄り達は、いつからサッカーに関心を持ったのだろう? よほどのサッカー好きか自分がやってたとかじゃなければ、ほぼ無関心な年代だろうに。
 そんなお年寄りたちを早朝の公園に呼び寄せるサッカーの魔力。W杯で一勝するということは、それぐらいに素晴らしいことなのだろう。

 ウォーキングコースを3周し、45分が経過してもお年寄りのサッカー談義は続いていた。
 「オランダ戦は岡崎を入れた2トップの方がキノウするかもしれんな」
 「オランダ戦はディフェンシブな布陣で引き分け狙いにいくのがセオリーだな」
 「キープ力のある俊輔をどのタイミングで使うかがキーだな」
 「オランダ戦においていえば、俊輔のキープ力は攻撃よりもディフェンシブな局面でキノウさせた方がいい」

 ところどころにチンプンカンプンだが、おじいちゃんたちの心には侍ブルーの灯が点っているように思えた。
 「お兄さんは、どちらが勝つと思う?」
 「僕ですか? やっぱオランダじゃないですか?」
 「そんなこと言っとるから戦争で負けたんだ。なんでもっと応援しないのかね」
 「すみません、じゃやっぱり日本」
 「“じゃ” じゃないんだよ。本当に若い人は曖昧なことばかり言いよる」

 若くもないオレですが、良い意味でW杯に浮かれている老人を見て嬉しくなった。
 みんな日本が好きなんだなぁ。日本が勝つと嬉しいんだなぁ。
 オランダ戦の後には、お年寄りたち、どんな話をするんだろうか。日曜の早朝にまた行ってみよう。
 岡ちゃん、責任重大だ。



『日本代表快勝の陰に琴光喜』

 日本代表の勝利に浮かれている場合じゃない。琴光喜、あんた何やってんだ? 協会が賭博行為を正直に申告すれば情状酌量するという情報を得た途端に寝返って「実は僕、やってました」。しかもあなたは大関、会社で言うなら取締役以上のポストである。一般企業なら即クビだ。
 琴光喜以外にも野球賭場行為に及んだ者は28人、花札賭博、賭け麻雀、賭けゴルフなどが36人の合計65人。そんなワルさをやってる力士をNHKは年6回、合計90日延べ225時間も放映して良いのか?
 相撲は単に国技というだけでなく、文化的芸術的にも優れたコンテンツである。力士が関取になるまでにどれだけの努力を必要とするかは計り知れない。だからこそ錬磨された者達の取り組みは美しく気高い。その一方で、いわゆる「ごっつぁん文化」なる常識外の生活に浸っていることも事実である。力士は早ければ15歳からそんな日常を「角界の常識」として捉えて生活している。そこに落とし穴がないわけないだろう。
 丸裸で命懸けの戦いをしていると思いきや、たった一枚身につけたまわしの中には、汚れきった事実が隠されていたわけだ。
 そろそろ本気で変わりなさい相撲界。オレは相撲ファンとして誠に悲しい限りである。




沖縄のおばあも、きっと悲しんでるぞ。




『沖縄ロケ』

 土日と沖縄ロケに行って来た。大方の予想を覆し、まずまずの天気。強行日程だったがスムーズに事が運んで笑顔で打ち上げられた。
 沖縄そばは苦手だったが、コーディネーターの猶崎くんお薦めの食堂で「塩そば」なるもの食ったが、これがイケた。島唐辛子をポトポト、スープがグッとシマり一滴残らず飲み干してしまった。
 指折り数えてみれば、沖縄には12回行っていて、そのうちの7回はロケなのだが猶崎くんにお世話になるのは始めてだった。事前情報で「今回はすごく仕事のできるコーディネーター」とのことだったので楽しみにしていたら、予想を遥かに裏切る(ポジティブにね)大活躍で、オレが女だったら抱かれてもいいとさえ思った。
 猶崎君の活躍に目を細めているオレをみて、講談社M氏は誇らし気に言った。「でしょ」。たったひと言ではあるが、M氏の勝ち誇った顔がさらに猶崎君の株を上げていた。
 塩そばと猶崎君。今回沖縄は大きな収穫をくれた。余談であるが猶崎君は藤代冥砂にキャッチボールで徹底的にしごかれているらしい。きっと冥砂も彼が可愛くてたまらんのだろう。
 ちなみにオレは2連チャンのキャッチボールで肩が上がらない。今日は左手一本で日本代表を応援する。オレの左手が神の手になればいいのだが…




左/レスリー。右/M氏。 完全に調子にノッてます





2010/06/21

『大腸フィーバー』

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2010/06/17

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『日本代表快勝の陰に琴光喜』

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