『桜、本気に』

 昨日、雪降ったんだよ東京は。気温1度だって。御殿場では20センチぐらいの積雪だっていうから花見どころじゃないよな。
 とはいえ、日付けが変われば天気も変わる。久しぶりの晴天でついに本気になってきたね中目黒。昼間っからおめでたい人たちが行列になってた。中目の桜ってちょっとお洒落に見えるんだろうね。目黒川の両脇に洋服屋やスイーツやレンスランが軒を連ねて、マハカラのうれしいプリンは3時間弱で200個完売だ。芸能人も歩いているし、子供っぽくないし年寄り臭くもない。花見したら代官山や恵比寿まで歩けば良いし、そこから10分歩けば渋谷にも出れる。
 これから満開まで5日間、それから葉桜まで10日間、みなさまそれぞれお好きに桜を愛でていただきたい。
 それにしても目黒川沿いは露店出すのにうるさくないもんだから、どこの誰だがわからん人たちがなんでもかんでも売っているのがあまり好ましくない。時間をかけてそれなりの桜の名所になってきたんだから、よその町とは違った味と気分で勝負してもらいたいものだ。安売り店でまとめ買いした缶ビールを300円で売ればいいというもんじゃない。中目らしい出店、酒、食い物、そこらへんキチンとしてもらいたいものである。
 とりあえず今晩から3日間は川沿いをパトロールすることにしよう。


3月30日現在、こんな感じです。




若者たちは食う。




叙情的なアングルで。




哀愁ある背中と距離感。




マハカラ、「うれしいプリン」に行列。




ちょうちんの中より。






『花見のおバカたち』

 春はどこに行ってしまったのか。完全に冬が戻って来てます。とにかく寒くてとても春物では対応できない。しかしどんなことがあっても予定を変更できないのが日本人の悲しい性。このクソ寒いのにビニールシート敷いて五分咲きにも達していない桜を見上げ、ぶるぶるしながらワイワイワイするんだから驚きである。
 20人からの団体となると、おいそれとは予定変更できないんだろうな。花冷えどころの騒ぎではない。気温7度とか8度でどうやって花見を堪能できよう。誰もが玄関を出る時に「なんでこんな寒いのに花見なんかしかきゃならねんだよ」とぼやきながら家を後にしたにちがいない。けれど予定が変更にならなければ行かないわけにはいかない、それが日本人である。
 行きたくない。寒い。寒さを紛らわすために飲む。まだ寒い。もっと飲む。少し酔っぱらってきて皮膚感覚が麻痺する。また飲む。調子に乗る。尿意をもよおし便所へ。我に返る。寒い。また飲む。具合悪くなる。吐く。記憶飛ぶ。気がつくとビニールシートで誰かのジャケットを掛けられて寝ている。風邪ひく。家に帰る。熱出る。会社休む。馬鹿にされる。後悔する。
 花見なんて気合いを入れれば入れるほどダメな連鎖が起きるものである。急性アルコール中毒で救急車が出動するのも、忘年会と双璧である。花見だから飲んでも良いなんて軽く考えてるから大変なことになるのである。
なんとなく見る桜。ぶらぶらと歩きながらする花見がちょうどいいのだ。ビニールシートなんか敷いても、酒飲むだけで桜なんて見るわけないんだから、たまたま通りがかった場所にある桜を見て、“キレイだね”。これぐらいがちょうどいいのだ。
 さて、中目の桜は4月1日に予定されているが、少しは温かくなっているのだろうか。いくら酒を飲んでも中目なら問題ない。ビニールシートを敷かない(敷く場所がない)のが中目の花見を健全にしている理由である。
 桜はぶらぶらしながら、酒は立ち飲みに限る。これが中目の花見というものだよ。




開花を待つ中目黒。




『高橋大輔金メダルに寄せて』

 フィギュアの世界選手権で高橋大輔選手が優勝した。バンクーバーの金、銀メダリストが出場していなかったとはいえ、燦然たる快挙である。
 金、銀メダリストがいない大会で優勝したからといって世界一とは認められない、などと言う人はスポーツを何も分かっていない。誰が出ようが出まいが、世界選手権とはそういうものである。格付けからいって五輪の次に位置することは否めないが、彼は立派な世界の覇者となった。
 五輪で好成績を残した選手が出場しないのは、単なるコンディションの問題ではなくモチベーションの問題に起因するところが大きい。高い緊張感を維持しながら五輪直後の大会に挑むには、質の高いメンタルタフネスが不可欠。一度ピークを迎えた精神的状況を、五輪後約1ヶ月で再現させるのは至難の業である。さらに出場したからといって下馬評通りの成績が収められるというものではなく、下手をすればメダルにケチがつく。そんな恐れがあるならば出場を辞退するのが懸命だと考えても不思議ではない。
 だからこそ高橋の金は偉大なのだ。彼は逃げることも4回転ジャンプを回避することもせず自らを奮わせ果敢に挑み、結果、覇者となった。
 彼はオリンピックチャンピオンにはなれなかったが、今年度の世界選手権チャンピオンであることに他ならず、つまり現時点での世界最高のフィギュアスケーターに上り詰めたのである。
 さて週末は女子だ。五輪メダリストがこぞって出場する大会は、あらたな緊張と興奮を届けてくれるだろう。正直、キム・ヨナの参戦には心が震えた。そこにスポーツの美を感じてやまないのである。
 スポーツの美しさとは強さである。強さとは勇気である。勇気は逃げない。挑むことからしか美は誕生しない。だからスポーツは人の心を打つのである。



『Sの話』

 ここ一週間ぐらい、至る所でフリーメイソンの話で持ち切りとなり、今更ながらへぇ~ボタンを押し続ける毎日を過ごしていた。
 お世話になっている施工業者のSもそれ系の話に興味津々で、それ系の真実本を持参して出張先に向かう新幹線に乗り込んだ。それ系の本を読み進めていくうちに、Sは周りの乗客がみんなフリーメイソンに見えたらしく、ちょっとした恐怖に襲われたそうだが、フリーメイソンとは悪さをする集団ではないことを思い出し、胸を撫で下ろしてリクライニングシートをMAXまで倒して読書を続けた。
 やがてSはそれ系のタイトルがデカデカと書かれた本を胸にのせたまま眠りに落ちた。しばらくの後、尿意で目を覚ましたSは、3人掛け席の真ん中の席に置いた仕事バッグの上に本を乗せ手洗い場へと向かった。ちょうど彼の乗った車両に車掌が乗車券を確認しに来たときだったらしい。
 彼が席に戻った頃、車掌も彼の席あたりをウロウロ。タイミング良く戻ったSに「こちらのお座席ですか?」と車掌。「はいそうです」とS。すると車掌は彼の仕事バッグをしばし凝視した。それ系の真実本が置かれたバッグはトートタイプのもので、ファスナーもなく、ほぼ中身が丸見えの全開状態だった。その中身はと言えば、電動ドリル、トンカチ、スパナ、ドライバー、糸ノコ、メジャー、KURE556、金属製定規などなど、銀行強盗の7つ道具とも思える品物がズラリ。+オン・ザ・真実本である。
 バッグとSを交互に見ながら訝し気な目で切符を拝見する車掌。なんとなくそれに気づき、何も悪くないのに「あは、あは」と愛想笑いするS。
 それ系の真実本をバッグの上に置いていただけで珠玉のブログネタをゲットしたSを羨ましく思ったが、本人は新広島で降りるまでなぜか背中に冷たい視線を感じてやまなかったという。
 フリーメイソンってなろうと思ってもなれないし、平和の使者だったりもするわけだけど、『秘密結社』という和訳が誤解を招くだけじゃんね。
 でも面白かったわ、Sの話。



『ウォーキングへの動機』

 超多忙なタレントさんにお会いした。結果的に僕がお待たせすることになってしまったが、超多忙なタレントさんはいやな顔ひとつせず気持ちよく対応してくれた。
 テレビや写真に写らない舞台裏では、けっこう「うそっ?」という態度をする人もいるのだが、その女性タレントさんはこちらが申し訳なくなるほど丁寧に対応してくれた。芸能界では勘違いが命取りになる。細心の注意を払っていても世間ズレしやすい世界なのに、その女性は僕ら一般人よりももっともっと常識的で礼儀作法に長けた人だった。まさに立派のひと言。その人に、それを立派と言ったら、当然のことですといわれそうなので言葉をぐっと呑み込んだ。
 そんな出会いに気分を良くして3連休の初日に砧公園までウォーキングをしたらまんまと花粉にやられて、手ぬぐい一枚では足りないほどの涙と鼻水を記録した。やっぱり気持ちだけでは花粉に勝てなかった。
 悔しかったので連休2日目にも砧公園に向かったら、ウォーキングコースは前夜の暴風で木がなぎ倒されていて大惨事の後みたいになっていた。ウォーキングコースは一周約15、6分。一周目にコースになだれ込んでいた倒木が、二周目にはすっかり除去されていた。砧公園の環境整備員の対応の素早さにちょっと感動してしまった。
 人に会って気持ちよく思い、その気持ちの延長線上でウォーキングをする。素晴らしい動機だ。




2010/03/30

『桜、本気に』

2010/03/29

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2010/03/26

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『Sの話』

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