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NHKのNさんは安易に人を褒めない。この業界であたりまえとされる「褒め」から入ることを絶対にしない人である。相手が大御所であっても自分が善いと思ったことしか「善い」と言わないしダメだと思ったことは徹底的に伝える。どこがダメでどうすることが善くて、それでダメでも最初のダメはきっと越えられるということを、はっきりとプロデューサー視点で、分り易く言うならばNHKの番組的にどうかを言える勇気のある人だ。
どの社会でもそうだが、地位や権力のある人に対して物事をストレートに伝えることは難しい。言った時点でクビチョンパになる可能性もある。だから人は言わない。言わないから言うことを聞かざるを得ない。そうなると自分の持ち味が損なわれて、結局自分で自分の首を絞めることになる。
Nさんは言う。それがダメだということが目的ではなく、こうするためにはそこはダメで、それからこうしたいけど、いかがですか?と。
プロデューサーは辛い。下が言えないことを言わなければならない。言う時は命懸けだ。だから言うことを拒むプロデュサーは山ほどいるが、そういう人の作品や番組はたかが知れてる。個人の保身も大切だが、そんなことよりも番組のことを優先するNさんは立派だ。ちょっとヤクザっぽいけど、俺は尊敬している。
そんなNさんだが、番組で大ハズしすることもあるらしいが、それはそれで意味も価値もあるのである。
「やって失敗」と「やらずに(やれずに)そこそこ」、どっちが立派で偉くて感動的か。それは誰もが好きに選択すれば良い。そんなNさんと久しぶりに飯でも食おうと約束した。俺が超ヒヨッ子に思える日がやってくることが、たまんなく嬉しい。
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