『今年の一字』

 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。

 年末に、その年を象徴する一字を書く行事がありますが、年頭に書いてみるのはどうだろう。いや、マニフェストとかそういうことじゃなくて、なんかほら、心意気というか気持ちというか。
 『感』だな。考えることも大切だけど、その前に感じるものが先。仕事も対人関係も。仕事に関してはなんでも論理的な裏付けが必要だけど、それも感じるものがあればこそだ。感じようとするのではない。感じたものを信じるのである。その感覚的なものをどうやって言葉や文章で伝達できるか。大きな課題であり目標であるが、すなわち自分を信じることに他ならない大切なことである。

 あと、感情的に烈しい人間なので、なんでもドバーッと表現するんじゃなくて、たまにはその、静かなる情熱というか、内に秘めた熱意というか、滲み出るパッションというか、そういうのに憧れる。きっと酒飲んだら終わりだけど。歳男だし。寅年獅子座、やっぱ烈しい。寅、虎、タイガーウッズ大丈夫かなぁ。励ましようにも連絡先しらないし。
 では年始もやっぱり麦焼酎飲みます。



『大晦日』

 “コタツで紅白”世代ゆえ、カウントダウンというものに行ったことがない。そもそも年末年始を家で過ごさないとバチがあたるような気がする。
 日本人の善いところは、年越しそばを食って紅白を見て「ゆく年来る年」で除夜の鐘を来て、それから近所の神社やお寺に初詣に行くという佇まいである。
 気持ちを清めて年末から年始へ、それの精神が美しい。俺は年が変わる瞬間に先祖のことを想い、実家のある方向に膝を向けて正座する。“年が新しくなります。また一年よろしくおねがいします”と心で呟くと気持ちがスッとする。そしておふくろと兄貴に電話でおめでとうを言い合う。何十年もやっている恒例行事だが今でも恥ずかしい。けれど怠っちゃいけない大切な年の始まり。
 バレンタインだホワイトデーだクリスマスだとまったく関係ないことに踊らされて、そのうえカウントダウンときたもんだ。これじゃ紅白の視聴率が落ちても仕方ないわ。
 とにかく今日で今年は終わります。いろんな一年だったけど、少し時間がたてば“あー良かった”と思えることもある。時間をかけて大人になって、そして一年を過ごして、また新しい一年の一日目がやってくる。
 普通にちゃんとやってれば、時代に惑わされずに自分らしくいられることも覚えた。
 平成21年、どうもありがとう。おつかれさまでした。22年にしっかりタスキを渡してね。



『プリンの話』

 少し前に書いたが、中目黒の『マハカラ』が1月15日からプリンを販売するにあたり、ちょっとしたプリンプロジェクトが発足した。開店前の店でそば茶を飲みながらダジャレべースの話をしているだけだが、それでもみんなの眼差しは熱く本気でプリンを考えているのである。
 なぜそれほどまでにプリンは人を熱くさせるのだろう? なぜ誰もがプリンを好きなのだろう? アイスクリームとプリンとではどちらが人気があるのだろうと思うぐらいにぶっちぎりのプリン人気である。“プリンは大好物だけどプッチンプリンは見るだけでもイヤ”というグリコ泣かせの女ともだちもいるが、そんなプリン好きもいるから日本列島総プリンプリン時代なのだ。
 そのプリンの名称とレシピ(といってもほとんどのプリンのレシピは同じだと思う)と、デコレーションとストーリーが完成する。「する」というのはあと少しで完成なわけで、ほんとあとちょびっとというところまで来ているのでありんす。
 作るからには東京で一番のプリンを目指す。実際、東京中のプリンを食ったことがあるわけじゃないから豪語かもしれないが、誰からもそう言ってもらえるようなプリンを中目から発信させたいと燃えている。
 ちなみに俺の好物は1位がカレーライスで2位がうな丼で3位が茶碗蒸し。茶碗蒸しは具が椎茸だけというのが最も気に入っている。それを食ったあとに甘い茶碗蒸し、すなわちプリンを食す。これが抜群。その前にカレーを食えばもう冬眠してもいい。
 ただし、うな丼だけは別日にしたい。



『ツケ』

 友人が飲み屋にツケをしていたらしく、しかもそのツケが2年近くも支払われていなかったらしく、店の主人から泣く泣く相談された。友人にその店を紹介したのは俺で、友人も仕事やプライベートでもその店を利用するようになった。そういうつながりが本当に好きなのだが、それをまったく裏切るような現実である。
 そいつに電話をしてすぐに払いに行くように伝えた。「さっぱり忘れていた」と言った友人の言葉を信用しないわけではないが、俺の友人ということで、なかなか言い出せなかった店主のことを思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
 友人は信用を商売としている人間である。それなりに苦労をしてきたことも知っている。こういうどこにでもあることの中にこそ大切なものが隠されている。
 店主から電話が入りお礼を言われるとともに、「もう誰にもツケはさせません」と言った。プライドを感じる立派な言葉だった。あいつの店は、もっと美味くなる。



『4日間』

 街からジングルベルも消えたね。一瞬の幻想からまた現実へ戻って、来年こそは頑張るぞと意気込んでいる人々。あのう、今年まだ4日もあるんだけど。4日でできること、4日で考えられること、10日はかかるだろうと思うことでも、そのうちの4日分。いろんな気持ちでこの4日を過ごしてみたらいかがだろう。
 1月1日だけがスタートの日じゃない。今日からなんか始めたら、4日も得した気分になる(かもしれない)。
年の初め、月の変わり目、区切りやすいときはあるけれど、そこにちょっとした準備をしておくだけでよし。かといって特別なことをすることもなく、ゆっくりとこの一年を振り返って、ここで失敗したけど、今度はこうしたらいいかもな、って、呑気に反省することだって大切なことだ。
 俺は今日、ほろほろ鶏のスモークをつまみに兼八を飲む。そしていろいろ考える。考えたことを忘れてしまう予感はあるが、考えるからこそ酔えるのだ。つまり忘れてしまうことは無駄でも愚かでもない。忘れてしまったらもういちど考えればいい。気持ちがブレてなければ、答えはいつもおんなじだ。




2010/01/01

『今年の一字』

2009/12/31

『大晦日』

2009/12/30

『プリンの話』

2009/12/29

『ツケ』

2009/12/28

『4日間』
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