『ナカメ改札イライラ女』

 「今ね、ナカメグロの改札にいるの」「…」
 「だからナカメグロ」「…」
 「ワカメグロじゃないよ。ナァカァメェグゥロ」「…」
 「なんでわかんないの? ナァカァメグロだって」「…」
 「ナァカァよ。ワァカァじゃなくてナァカァ」「…」
 「大中小の『チュー』の読み方を訓読みにして『ナァカァ』。それ+メグロ」「…」
 「だから初めから言ったじゃん、ナカメグロだって」「…」
 「いい加減にしてくれない? とりあえず急いで来なさいよ!」

 駅の改札で“中目黒駅で待ってる”ことを携帯電話で力説していた女性の実況です。おそらく話し相手がトボけてるんだろうけど、喋るたびにイライラしてくるのが手に取るようにわかった。あの女の人、最後はコンクリートの壁蹴飛ばしてたもんな。待ち合わせした人と会ったらぶっとばしちゃうんじゃないだろうか。あのまんまじゃ一緒にメシ食っても美味くないと思うよ。あの怒りをどうやって鎮めるのだろうか。そういうことはやっぱ夜にお任せだな。待てよ、相手は男と決まったわけじゃないし、となると女同士だと余計に修羅場だな。メシ屋でワリカンの時にもうひともめするな。気になってしばらく見届けようと思ったが、あまりにもバカらしいのでやめた。



『母の日』

 今日はお袋の誕生日である。実に喜寿。七十七歳の目出たい御日である。予てから「喜寿だからといって特別なことをするではない」ときつく言われていたため、わざわざ帰郷して云々とか豪勢なものを贈ったりもしないが、洒落者の母上ゆえに、なんちゃってプレゼントもなかなか難しい。
 ほんの2年前にはこんなリクエストをされた。「吉田カバンのトートが欲しいんやけどね、PORTERやないよ、HEAD PORTERね」。
 75にしてHEAD PORTERを知るあたりただものではない。どこでどうやってHEAD PORTERを知ったのか。確かに母上が55年間営む美容室には雑誌がごまんとある。ただどれもが女性なんとかとか、なんとかセブンみたいな、いわゆる主婦層狙いのもので、あとはミセスとか着物なんちゃらとかそっち系のもので、到底HEAD PORTERの情報が掲載されているとは思えない。パソコンが使えるわけでもないし、まさか息子よりも年下のトレンドにうるさいツバメがいるわけもないだろうし。
 そんなわけでハイカラな母親のストライクゾーンにビシッと投げ込むために、またまたリメイク職人のユージに頼んでしまった。ブツはヴィトンのモノグラムボストン。以前弊社HPのTOPICSで紹介したアレと原型は同じ。ただ華奢なお袋なので俺とおんなじトートじゃ不釣り合いなので、Herveっぽい逆三角型タイプのトートを作ってもらった。
 まさかヴィトンのボストンも30年経ってから三角トートに整形させられるとは思いもよらなかっただろうが、どんな形に変わっても主張を失わないモノグラムの存在感はさすがである。
 昔からハズし好きだった母親にはお似合いの一品だ。77とはいえ永遠のガール。裏地には赤白のギンガムチェックを貼らせていただいた。もう、そのままピクニックにいってビニールシート広げてもらってもOK使用なのである。
 30年間握り続けた年期入りのハンドルはそのまま。けれどボディはコンパクトにキュートに変身。思い返せばウチの家族は兄貴も交えて、ずっと「どうやってびっくりさせてやろうか?」合戦である。
 少し気が早いが、あと11年後の米寿には盛大にお祝いしたいと思っている。
 その時を楽しみにしてるので、ずっと元気で長生きしてくださいね、おかあさん。



『昭和歌謡の夜近し』

 近所のBARで、31日に銀座『DAZZLE』でやるハロウィンパーティのDJのリハをしていたらあまりにも気分がよくなって夜中の3時を回ってしまった。それにしても昭和歌謡の力はものすごい。酒をくぴくぴ運ばせる。昭和の元気なメロディーが身体の思い出と一緒にどこかに潜んでいるんだろうね。
 血が騒ぐと言うか、とにかく血流がよくなってハイになる。ターンテーブルの前でサイバーのりPが猛り狂う映像が流れるが、まさにあの状況にまで上り詰めさせる昭和歌謡パワー。
 過ぎた時代を呼び戻すことは難しいが、ほんのひと時だけでもあの時代に連れてってくれる音楽という魔法。ヒロミ、ヒデキ、ゴロー、フィンガ-5、キーヨ、ニシキノ、アイザキ、ミチル、ジョー、コーちゃん、ター坊、シンシア、アグネス、マリちゃん、フィーフィー、ベッツィ、クリス、トワエモア、ミヨちゃん、アン、マリア、シモンズ、ナナ、キノウチ、10年飛び越えてキャンディーズ、ピンクレディ、たのきん、寿司食いねえ、キョンキョン、アキナ、イヨちゃん、ヒデミ、チエミ、渋いところでアライカオルコ。
 どれもが俺の心の中にどっかと座って離れない。だったら離れなくていい、永遠に。
 昭和歌謡ぎんざNOW。あと3日。



『遼くん VS 池田勇太』

 昨日、ゴルフのブリヂストンオープンで優勝した池田勇太選手、実にシブいというか完璧なおっさんに見えるがまだ23歳だそうだ。芸能界で言うところのえなり君である。
 あのとんでもない配色のゴルフウエアがシビレる。完全に20年前のゴルフファッションである。なにより3タックのダボダボズボンには泣かされる。どうやら彼はジャンボ尾崎を崇拝していて、それでアレなのだそうだ。
 思い起せば10年ちょい前、タイガーウッズが鮮烈なデビューを飾るとともにナイキ社がタイガーをゴルフラインのキャラクターに起用し、日本中のおっさんが同じナイキマークのポロシャツを着て、日曜日のスーパーやコンビニはナイキマークで溢れ返った。それまではナイキなど若者が着るものと部外者を決め込んでいたおっさんたちがナイキポロばかり着るので、ナイキ好きの若者たちは困ってしまった。逆におじさんたちはタイガーのおかげで「ナイキ」を覚えちゃったもんだから、なんでもかんでもナイキにしちゃって、ナイキが本当に目指したいところと反対方向に行ってしまった。果たしてあの戦略はナイキにとってどうだったのだろう。正直、金は儲かったけどイメージが…というところじゃなかったのか。
 そこへ遼くん登場。時代はナイキからヨネックスへ。ズボンもシェイプされたラインへスライド。ナイキ、ようやくおっさん離れの巻である。その間、片山晋呉のウェスタンハットなんかがでてきたけど、本人の強さとカッコ良さのバランスが不一致だったため、それほど流行らず、いつしか片山選手もフツーの被り物に変更。
 さて、池田勇太選手だが、来年には3タックダボダボズボン『ユータック』を発売するらしい。遼くんのそれとは真逆のズボン、これにスポーツウェアとしてどんな機能を搭載するのか。いわゆる遼くんのフィット感がありストレッチ効果もある伸縮素材を施したタイトウェアに関して、おそらく「ゆったり」とか「リラックス」「ストレスフリー」などを売りにするのだろう。「風通しが良い」なんていうアナログな文言もあるかもしれない。本気でプレーするとなれば、ダボダボはかなりマイナス効果が高いと思うのだが、それも池田パワーで凌駕しておっさんゴルファーを魅了してしまうのかもしれん。
 ところで遼くんは「ハニカミ王子」とか「遼くん」とかニックネームがあるが、池田選手にはどんなニックネームがつくのだろう。まさか「ダボダボ王子」とかは失礼だし、ジャンボからインスピレートして「ジャンプ池田」とか「マグナム勇太」というような昭和のプロレスラーみたいな名前か、もしくは「ユータ バズーカ 21」という必殺技みたいな名前がつくかもしれないが、それが許されるキャラであることも池田選手の魅力である。
 遼VS池田勇太。来年からはウェア対決も楽しみなのだ。



『ボーダーライン?』

 久しぶりに料理の撮影をしています。テーブルスタイリングをしてライティングを決めてパシャっとやって、御用済みとなった料理の使い道は自由。エコの時代にあってポイするのはモラルに反するのでみんなでパクっとやる。昨日はカレーと鍋と炊き込みご飯だった。地域の食材がこんもり入っていて撮影しているときから狙っていた。カクテルも焼酎も旨かったな。いい仕事だ。
 今日も撮影だ。料理の数は昨日の3倍。食えるか?それが目的ではないけど、そう思えないと上手く撮れないものである。とはいえ俺はカメラマンの横であー撮れ、こー撮れとチャチャ入れてるだけ。人だろうが景色だろうが料理だろうが、こんなことを20年近くもやっている。
 撮影が終わったら新丸ビル、丸の内ハウスの『来夢来人』でグラフィックデザイナーの信道三雄さんが『さらしスナック みつお』をやるので顔を出す。ピチカートの野宮さんやヘアメイクのノボルもDJやるらしい。リリーも来るかもらしいので楽しみだ。そのあとは新宿ピカデリーで仕事だ。
 仕事と遊び。どこにボーダーラインがあるのかわからないが、そこそこ楽しいからこれでいいのだ。




2009/10/30

『ナカメ改札イライラ女』

2009/10/29

『母の日』

2009/10/28

『昭和歌謡の夜近し』

2009/10/26

『遼くん VS 池田勇太』

2009/10/23

『ボーダーライン?』
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